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カラーグレーディング:キャリブレーションガイドライン

キャリブレーションターゲット

SDR リファレンスモニタ(最低必要条件):

  • 色域: Rec.709
  • ホワイトポイント: D65
  • EOTF: BT.1886 (ガンマ 2.4)
  • ブラックレベル: 0.05 ニッツ以下
  • ピーク輝度: 100 ニッツ
  • コントラスト比: 2000:1

HDR (Dolby Vision) リファレンスモニタ (最低必要条件):

  • 色域: P3
  • ホワイトポイント: D65
  • EOTF: SMPTE 2084 (PQ)
  • ブラックレベル: 0.005 Nits
  • ピーク輝度: 1000 Nits
  • コントラスト比: 200,000:1

Dolby Visionマスタリングに使用するカラーグレーディングシステムとモニタについての詳細情報は Dolby Vision Best Practices and Monitor Requirementsを参照してください。

視聴環境の重要性

カラーグレーディングで重要となる視聴環境は、キャリブレーション済みのUHDディスプレイ、照明及び室内装飾の状態、さらに画面に対する視聴者の適切な位置取りによって決まります。

視聴環境の仕様

  • 周辺の照明: 画面の周辺には、ディスプレイの色温度と一致する色温度の光源及び反射面から照明を当てます。つまり、SDR及びHDR表示のいずれの場合もD65です。壁の装飾の一切は、目障りな図柄やパターンのない自然なマット素材で仕上げます。
  • 周辺の照明レベル: 5 ニッツ
  • 周辺の範囲:視聴者から水平方向の視野角 (FOV) は90度以上、垂直方向の視野角は60度以上とします。
  • 視距離: 理想的な視聴には、HDの解像度では画面高さの3 - 3.2倍、UHDの解像度では画面高さの1.5 - 1.6倍の距離に視聴者が位置する必要があります。

視聴環境の必要条件の詳細は、「SMPTE ST.2080-3」を参照してください。

キャリブレーションにおける実践ガイド

キャリブレーションの方法は施設やソフトウェア、ハードウェア構成によって変わりますが、どのような場合でも上記にある通り標準的な色空間をターゲットにして調整されるべきです。以下に示すのは色の調整などを行う前にモニタをキャリブレーションしようと考えている方向けの実践ガイドです。

  1. ブラックレベルの調整
  • PLUGEパターンを使用してブラックレベルを設定します。
  • ホワイトレベル/ピーク輝度の調整
    • コントラストパターン(ほぼ白色)を使用し、信号が100%白レベルに近づいてもクリッピングが発生しないことを確認します。
    • ブラックライトやコントラスト機能を使って100%白レベルを望ましい輝度になるよう調整します(例:SDRの場合は100 cd/m2)。
  • グレースケールの計測
    • 11ステップ以上計測します(10%ずつ値を増加させて0-100%を計測)。
  • ターゲットとする輝度と色度になるようグレースケールを調整します。
    • RGBゲインまたは/及びRGBバイアスを使用して各グレースケールレベルに対して望んだホワイトポイントと輝度になるように調整します。
  • ホワイト&ブラックレベルのリセット
    • ゲイン/バイアスを調整した後、#1と#2を繰り返します。
  • RGB原色とランプの計測
    • ターゲットのRGB原色になるように必要に応じて調整します。

    注意: SpectraCal社のCalManソフトウェアには“Netflix Video Monitor” ワークフローテンプレートが含まれており、SDRキャリブレーションを手順に従って行える機能が備わっています。このワークフローの最初のステップは上記に記した手順と同じです。


    変更履歴:

    2019-03-05

    • 記事のタイトル: 「視聴環境の重要性」から「キャリブレーションガイドライン」に変更
    • キャリブレーションターゲット: 新しいセクションを追加
    • キャリブレーションにおける実践ガイド: 新しいセクションを追加
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