ドルビービジョンとは、カラーグレーディングシステムに表示される画像から、視聴者がNetflixの視聴に使用しているデバイスまで 、クリエイティブな意図を保つことのできるHDRフレームワークです。
これを実現可能にするには、HDRで提供するすべてのNetflixオリジナル作品をドルビービジョンでマスタリングし、ドルビービジョンパッケージのIMF納品仕様に従って納品する必要があります。ドルビービジョンIMFパッケージからドルビービジョン、HDR10、SDRストリーミングファイルを生成することができるので、いずれのフォーマットでもNetflixメンバーにお楽しみいただけます。
更新: Netflixへの納品にドルビービジョン4.0を使用できるようになりました。注: ドルビービジョン4.0での納品は 必須ではありません。ドルビービジョン2.9での納品も引き続き可能です。
以下をはじめとする多くのソフトウェアアプリケーションが、ドルビービジョン4.0に対応しています。
カラーグレーディング
- Blackmagic Resolve Studio
- Filmlight Baselight
- Digital Vision World Nucoda
マスタリング
- Colorfront Transkoder
- Rohde & Schwarz Clipster
- Blackmagic Resolve Studio
- MTI Film Cortex Enterprise Edition
ドルビービジョンに対応するカラーグレーディングおよびマスタリングシステムの一覧表はこちらを参照してください。
Blackmagic社のご協力によりこちらのチュートリアルが作成されています。HDRマスタリングの参考にしてください。
ドルビービジョン4.0での納品はすべて、CMVersion [4 1]とドルビービジョンメタデータをIMF映像トラックファイルに組み込む必要があります。
必要なもの:
- プロ仕様のHDRモニター
- ドルビービジョンの最小仕様を満たしていること
- P3 D65、PQ / ST.2084、≥1000 cd/m2
- プロ仕様のSDRモニター
- Rec.709、BT.1886 / ガンマ2.4、100 cd/m2
- ドルビービジョン対応のカラーグレーディングソフトウェア
- 対応するカラーグレーディングシステムの一覧表は、こちらを参照してください。
- 次のいずれかに対応するドルビービジョンライセンス:
- 外部コンテンツマッピングユニット (eCMU) ハードウェア (Dolby仕様準拠)
- 内部コンテンツマッピングユニット (iCMU) ソフトウェア
納品するもの:
- メタデータが埋め込まれたドルビービジョンIMF
- この納品に関する詳細な仕様については、Netflixオリジナル作品納品仕様の記事をご覧ください。
- カラーエンコーディング、マスタリングディスプレイ、アスペクト比を含むすべてのメタデータが正確かどうか確認してください。Dolby社のMetafier検証ツールを使用して、納品前にメタデータにエラーがないことを確認してください。
お問い合わせ先:
- ドルビービジョンのライセンス、認定資格、トレーニングについては、Dolby社までお問い合わせください:
- Thomas Graham (tom.graham@dolby.com)
- Ian Lowe (ian.lowe@dolby.com)
- Netflixワークフローと納品サポートについてはpto-tech@netflix.comまでお問い合わせください。
よくある質問:
Dolby社のトレーニングや認定資格を受けることはできますか?
はい。Dolby社では、オペレーター (カラリスト、スタジオエンジニア、ポストハウスのスタッフなど) 向けにドルビービジョンのトレーニングを世界各地で実施しています。トレーニングおよび認定の詳細については、Dolby社までお問い合わせいただくか、Dolby社のウェブサイトをご覧ください。
最初にグレーディングするのはHDRですか? SDRですか? それとも両方同時ですか?
最初にHDRでグレーディングを行ってから、HDR画像のドルビービジョン解析と、プログラム全体のショットごとのトリムパスを行います。Netflixの経験では一般的に、最初にHDR版をグレーディングしてから、それを'ヒーローグレード’としてアプローチすると、HDRとSDRの両方のグレードから最善の結果が得られます。最終的に、解析情報とトリムパス情報が含まれたサイドカーメタデータファイル (XML) 付きのHDRマスターが1つ生成されます。
モニターのキャリブレーション方法は?
ご使用のデバイスと、そのデバイスが採用している技術によって異なります。詳細については、Color Critical Display Calibration Guidelinesをご覧ください。デジタル画像のモニタリングに使用される2つの主要規格について、画像のキャリブレーション設定をご確認ください。
HDRのモニタリング | SDRのモニタリング | |
色域 | P3 | Rec.709 |
ホワイトポイント | D65 | D65 |
EOTF | PQ / ST.2084 | BT.1886 (2.4 ガンマ) |
ホワイトピーク | 1000 / 2000 / 4000 nit (モデルによる) | 100 cd/m2 |
ACESを使用していますが、どの出力変換を使用すべきですか?
ご使用のモニターに応じて、次のODTを使用してください。
- P3-D65 ST.2084 (1,000 nit)
- P3-D65 ST.2084 (4,000 nit)
Rec.2020で作業できますか?
モニターのキャリブレーションは、Rec.2020ではなくP3-D65色空間に準拠してください。モニターをRec.2020に設定することは可能ですが、それにはモニターのネイティブプライマリとのマッピングが必要であり、ご使用のモニターによって結果が異なる可能性があります。この理由のため、またP3は現在のところ標準モニターのマスタリングによって再現できる色再現範囲が最も広いため、NetflixではP3-D65色空間を使用してキャリブレーションし納品する方法が最も一貫性と効率性が高いと考えています。
変更ログ
2021年11月30日
- ドルビービジョンのプロジェクト設定に関するBlackmagic社のチュートリアルビデオへのリンクを追加。
2021年7月6日
- 認定ソフトウェアアプリケーションの一覧表を参照できるようにするため、Dolby社のサポートウェブサイトへのリンクを追加。
- トレーニングおよび認定に関する記述を、Dolby社の現在の提供内容に合わせて修正。