NetflixマスターQCの役割は、メンバーに提供するサービスにおいてコンテンツの最高品質を保証することです。Netflixは納品されたすべてのコンテンツを検証し、客観的かつ技術的な問題があれば折り返し報告して修正と再納品を求めます。Netflixは常に最上級のコンテンツをお届けするブランドであり、メンバーの登録と維持を後押しする視聴体験の実現を使命としています。
この用語集について:
本書は、期待される画質・音質および品質管理の戦略に関して、Netflixとパートナー社との整合性を図ることを目的としています。総合的かつ正確な情報源となることを意図していますが、技術の継続的な開発、改良および進化に伴い、この用語集も改訂される予定です。
Netflixは、制作意図を保ち、Netflixブランドの品質水準を推進し続けながら、可能な限り優れた視聴体験を確保する最高品質の素材を用意することを目指しています。
掲載されている情報の詳細については、pto-specialists@netflix.comまでお問い合わせください。
[001] Audio Clipping/ Distortion
[019] Audio Level Shift/Change
[020] Loudness LKFS Out of Spec
[025] Ident Audio True Peaks Out of Spec
[035] Extraneous Audio Description
[041] Incorrect Asset - Language
[042] Incorrect Asset - Asset Type
[073] Pixelation/ Quantization
[074] Blown-out/ Clipped Whites
[076] Luminance Shift/ Flicker
[087] Dolby Vision Metadata Error
[096] Visible Production Crew/Equipment
[098] Animation/ VFX Intersection Error
[099] Animation Incomplete Outline
[100] Animation/ VFX Lighting/ Shading Error
[101] Text Graphics HDR/ SDR Error
[001] Audio Clipping/ Distortion
説明:
音声クリッピング/ひずみ (Audio Clipping/ Distortion) は、音声サンプルの音量が再生レベルの最大ピーク値を超える時に発生する現象です ("過変調"と関連付けられる場合や "過変調"として分類される場合もあります)。
影響:
音声クリッピング/ひずみは、対象素材のコンテンツ品質と技術品質の両方に影響を与えます。ダイナミックレンジの減少により、音声再生中に「パチパチ」という音がしたり、音が濁ったりするため、視聴体験が損なわれます。ほとんどの場合、このエラーは制作意図ではありません。また、このエラーが検知された素材から派生する納品物は低品質になり、弊社サービスでの使用には耐えられません。
深刻度の構成:
参考情報 - なし
問題 - 音声のかなりの部分が再生許容レベルを超えてピークに達しているようです。音楽、セリフ、効果音のすべての音声が大きいうえにひずんでいます。音声の波形はきわめて広域でもピーク全体はフラットに表示されており、音声クリッピングが見られます。
予防法:
クリッピングを回避するため、撮影現場で収録中に音声レベルを注意深くチェックします。ミキシングの段階では、クリッピングを防ぐためにリミッターを使用します。ノーマライズ処理時のエラーの場合もあります。再録音のミックスセッションを見直し、ノーマライズ処理でエラーが発生していないかを確認します。
修正方法:
音声レベルの調整や制限を行い、新しいプリントマスターを再納品します。M&Eに同様の問題がないか確認し、必要があればM&Eも再納品してください 。
[002] Audio Hiss
説明:
ヒス音 (Audio Hiss) は、音声トラックの余計なノイズです。これは、ノイズフロアの上昇、あるいはアナログ素材が原因となります。
影響:
ヒス音は、対象素材のコンテンツ品質と技術品質の両方に影響を与えます。影響が小さい場合でも、ヒス音は視聴体験の邪魔になります。深刻な場合は、制作者が意図したセリフ、音楽、効果音が聞こえにくくなる、あるいはまったく聞こえなくなることがあります。
深刻度の構成:
参考情報 - アーカイブ映像が、その時代特有の音声と一緒に流れています (例: ヒス音がアーカイブ映像の音声ミックス自体に含まれる、あるいは制作意図を反映するために使用されていると判断できる)。
問題 - ヒス音が大きく、セリフ、音楽、効果音が部分的または完全に聞こえなくなっています。音声のゲインが上がっており、音の歪みがはっきり聞こえます。
予防法:
音声を適切な音量で録音し、余計なノイズが発生するまでゲインを上げなくても済むようにします。
修正方法:
指摘された箇所のゲインを下げます。制作意図を望みどおりに実現するため、現場収録の別音声またはフォーリー音の使用を検討してください。M&Eに同様の問題がないか確認し、必要があればM&Eも再納品してください。
[003] Audio Static
説明:
雑音 (ノイズ)(Audio Static) は音声トラックのパチパチという音を指します。これは、収録機器、あるいは音声データの破損によって発生します。
影響:
雑音 (ノイズ) は、対象素材のコンテンツ品質と技術品質の両方に影響を与えます。制作者が意図したセリフ、音楽、効果音の一部または全部が聞き取りにくくなり、視聴体験が損なわれます。意図しない雑音やファイルの破損によって素材の質も低下します。
深刻度の構成:
参考情報 - 雑音(ノイズ) がありますが、画面上のアクションやシーン固有の演出上の要素と一致しています (例: 無線機がフレーム内に見えている)。
問題 - 雑音 (ノイズ) によってセリフが聞き取りにくくなっています。音楽や効果音が流れる箇所で発生している場合でも、雑音がかなり目立っていたり視聴の妨げになったりしています。無音状態であるべき箇所で雑音が発生しています。
予防法:
雑音 (ノイズ) は、マイク等の収録機材または収録中の環境音が原因で発生することがよくあります。クリーンな音声を収録できるよう、収録段階で十分にチェックすることが重要です。
修正方法:
セリフ音声に雑音 (ノイズ) がある場合は、現場収録音声の別素材かアフレコと入れ替えます。音楽や効果音に雑音がある場合は、フォーリー効果、ルームトーン、またはクリーンな音楽トラックに入れ替えます。M&Eに同様の問題がないか確認し、必要があればM&Eも再納品してください 。
[004] Audio Tick
説明:
カチカチ音 (Audio Tick) は、音声トラックのサンプル間またはピーク間のカットイン編集により、出力スピーカーの電圧が急に変わることで多く引き起こされる音声の乱れです。
影響:
カチカチ音は、対象素材の技術品質に影響を与えます。電圧の飛びによりノイズが生じ、視聴者に不快感を与える可能性があります。
深刻度の構成:
参考情報 - カチカチ音は、俳優の口から出る音や、シーンに含まれる効果音 (例: 足音、手でたたく音、紙が動く音など) の場合があります。
問題 - 無音状態で、あるいはセリフ、音楽、効果音に重なった状態でカチカチ音がかなりはっきり聞こえ、その音に関連する情報が映像の中に見つかりません。
予防法:
音声素材は相互に作用するため、最終版のミックスですべての音声素材を十分検証します。異常なカチカチ音があれば手動で取り除きます。
修正方法:
セリフにカチカチ音が入っている場合は、現場収録音声の別素材かアフレコと入れ替えます。効果音トラックにカチカチ音が入っている場合は、必ずフォーリー効果かルームトーンで隠します。音楽にカチカチ音が入っている場合は、クリーンな音楽トラックとの入れ替えを検討してください。
カチカチ音を分離し、クラックルノイズまたはポップノイズの除去を行って取り除きます。最終版のミックスを大幅に変更しないよう注意してください。M&Eに同様の問題がないか確認し、必要があればM&Eも再納品してください。
[005] Abrupt Audio Edit
説明:
唐突な音編集 (Abrupt Audio Edit) は、信号の急激な減少や、不完全なトランジション効果を指します。
影響:
急な音編集は、対象素材のコンテンツ品質に影響を与えます。作品の制作意図が思いがけず変わってしまうことがあるため、お客様の視聴を妨げたり、不快感を与えたりする可能性があります。
深刻度の構成:
参考情報 - 画面の動きや前後の状況から制作意図だと判断できます。
問題 - シーンの途中で音声が突然途切れており、対象シーンの映像の制作意図を反映しているようには見えません。
予防法:
すべての編集点をチェックします。急激なトランジション、不完全またはぎこちないトランジションがないか確認します。
Netflixの仕様に基づき、ファイルの最初と最後に1秒の無音の黒画面が含まれていることを確認します。必ずビデオと音声の尺が一致するようにし、余計な編集が音声に入っていないことを確認してください。
修正方法:
音声がスムーズになるよう、再編集する必要があります。
必要に応じて音声の引き伸ばしやトリミングを行い、再納品します。M&Eに同様の問題がないか確認し、必要があればM&Eも再納品してください 。
[006] Audio Hum/Buzz
説明:
ハム音/バズ (Audio Hum/Buzz) は、電気ノイズまたは信号の干渉です。多くの場合、録音用のシグナルチェーンのグランドループが原因で生じます。
影響:
ハム音は対象素材のコンテンツ品質に影響を与えます。制作者が意図したセリフ、音楽、効果音の一部または全体が聞き取りにくくなり、視聴体験が損なわれます。意図しない信号ノイズによって素材の質も低下します。
深刻度の構成:
参考情報 - 小さな音量のハム音がミックスの中にあります。または、制作意図やシーンの演出の一部と考えるのが適切です (例: 明らかにハム音の発生源である機材が見える場合)。
問題 - 大きな音量でハム音が発生し、セリフが聞こえにくくなっています。音楽や効果音が流れる箇所で発生している場合でも、ハム音がかなり目立っていたり視聴の妨げになったりしています。無音状態であるべき箇所でハム音が発生しています。
予防法:
グランドループアイソレーターを使用して、音声回路のグランドループに起因するノイズを隔離および除去します。これによって各オーディオケーブルのシールドグランドを機器のグランドから確実に絶縁し、音声の増幅時に余計なノイズが発生しないようにします。
修正方法:
対象の音声を現場収録音声と入れ替えて、ハム音を取り除きます。M&Eに同様の問題がないか確認し、必要があればM&Eも再納品してください 。
[007] Audio Pop
説明:
ポップ音 (Audio Pop) は、画面内にない音源の信号が増幅されて生じる音声の乱れです。波形では信号がスパイク状に見えます。
影響:
ポップ音は、対象素材のコンテンツ品質と技術品質に影響を与えます。大きなポップ音が発生すると視聴の邪魔になります。
深刻度の構成:
参考情報 - ポップ音がセリフの中にあるが視聴には支障ありません。または、俳優の口から出るノイズです。
問題 - ポップ音がかなり大きく、ミックス音声の中で目立っており、制作者が意図したとおりに作品を視聴することを妨げています。
予防法:
ミキシングや編集中に、不注意によってポップ音が生じないよう注意します。自動のポップノイズ除去を実行します。また、音素材は相互に作用するため、最終版のミックスですべての音素材を十分に検証します。異常なポップ音があれば手動で取り除きます。
ポップ音が俳優の演技によって発生する場合もあります。このようなポップ音は、マイクを俳優の口元から遠ざける、マイクを上部や脇に配置する、ポップストッパーを使用する、といった方法で防げます。
修正方法:
問題点を取り除くために、ポップ音を分離し、コンスタントパワーで3~4フレームのフェードを追加します。最終版のミックスを大幅に変更しないよう注意してください。M&Eに同様の問題がないか確認し、必要があればM&Eも再納品してください 。
セリフの中で聞こえるポップ音が大きい場合や視聴の邪魔になる場合は、現場収録音声の別素材かアフレコに入れ替えてください。
[008] Audio Upcut
説明:
音声の遅れ (Audio Upcut) は、セリフ、音楽、効果音の途中にある音声編集により、聞こえる音量や音質が残りのシーンと一致しない状態を指します。
影響:
音声の遅れは、対象素材の技術品質に影響を与えます。作品の制作意図が思いがけず変わってしまうことがあるため、お客様の視聴を妨げたり、不快感を与えたりする可能性があります。
深刻度の構成:
参考情報 - 音声の遅れが出演者の演技の一部と考えられます。
問題 - 音量レベルがシーンの途中で急に上がっています。あるいはセリフ、音楽、効果音の音質がシーンの途中で急に変わっています。遅れがかなり目立ち、視聴体験が損なわれています。
予防法:
すべての編集点をチェックします。最終ミックスで、音声がシーンの途中で急に変化していないことを確認します。
修正方法:
音声がシームレスに聞こえるよう再編集し、他のシーンの音量や音質と比べて、できる限り急に変化しないように調整します。M&Eに同様の問題がないか確認し、必要があればM&Eも再納品してください。
[009] Missing Audio Treatment
説明:
音声処理の欠落 (Missing Audio Treatment) は、画面のアクションを起点とする音声効果や調整、あるいはメインの音声ソースにある音声効果や調整が音声トラックにない状態を指します。
影響:
音声処理の欠落は、対象素材のコンテンツ品質に影響を与えます。音声が画面のビジュアルキューまたはメインの音声ソースと一致していません。音声処理が欠落しているM&Eから第二言語の吹替音声が作成されると、同様に必要な音声処理が欠けてしまうため、メインの音声ソースと一致しません。
深刻度の構成:
参考情報 - なし
問題 - メインの音声が画面のアクションに合わせて編集されていません。または、M&E音声とメインの音声ソースとの整合性が取れていません (例: 第二言語の音声にセリフのパンニングが欠落している、または主要言語のソースに一致していない、あるいは音の反響が想定される場面設定でリバーブ効果が抜けている)。
予防法:
音声と映像を照らし合わせて、音声が視覚的なストーリーの流れと一致するようにします。必要な処理がすべてM&Eに適用されていることを確認します。
修正方法:
整音ミックスを再度行い、音声を適切に処理します。
[010] Audio Channel Bleed
説明:
音声のにじみ (Audio Channel Bleed) は、1つ以上の音声チャンネルの情報が他の既存の音声チャンネルにミックスされている現象を指します。
影響:
音声のにじみは、対象素材のコンテンツ品質と技術品質の両方に影響を与えます。音声再生中に別のチャンネルが混ざることによって、空間的な演出効果が打ち消されてしまうため、視聴体験が損なわれます。
深刻度の構成:
参考情報 - なし
問題 - 1つの音声チャンネルの大部分が、部分的または完全に複数の音声チャンネルに存在しているようです。その制作意図を示す情報が画面に見つかりません。
予防法:
書き出し前に、オーディオバスをすべて確認します。
修正方法:
音声トラックまたはサンプルが2つ以上の異なるチャンネルに2重にルーティングされているために、複数のチャンネルに書き出されている可能性があります。音声のにじみがなくなるよう、音声を正しくルーティングして再度書き出してください。M&Eに同様の問題がないか確認
し、必要があればM&Eも再納品してください。
[011] Audio Channel Mismap
説明:
音声チャンネルのマッピングミス (Audio Channel Mismap) は、音声ミックスに対する適切なスピーカーの割り当てやチャンネルの配置を決める、音声トラックまたは音声チャンネルの順序が誤っていることを指します。
影響:
音声チャンネルのマッピングミスは、対象素材のコンテンツ品質と技術品質の両方に影響を与えます。音声再生時のスピーカーの割り当てが正しくない場合、視聴体験が損なわれます。
深刻度の構成:
参考情報 - なし
問題 - すべての音声ではないとしても、その大部分でマッピングミスが見られ、スピーカーの割り当てが間違っていると考えられます。
予防法:
正確な音声マッピングがなされたテンプレートを使用します。書き出し前に、タイムラインのチャンネルマッピングを確認します。
修正方法:
技術仕様を参照して正しい音声チャンネルマッピングの順序を確認し、指定された順序にチャンネルを並べ直してから再納品します。M&Eに同様の問題がないか確認し、必要があればM&Eも再納品してください。
[012] Audio Mixdown Error
説明:
ミックスダウンの齟齬 (Audio Mixdown Error) は、1つまたは複数のミックスのトラックを重ねて新しいミックスを作成する過程で齟齬が生じている状態を指します (例: 5.1ミックスをフォールドダウンしてステレオミックスを作成)。これにより、各ミックスの間で全体の音量や特定の音声が一致しないことがあります。
影響:
ミックスダウンの齟齬は、対象素材の技術品質とコンテンツ品質に影響を与えます。重要な音声の音量が小さかったり、音声ストリームの1つに重要な音声が欠落したりすると、視聴体験が損なわれます。5.1と2.0のミックスは、コンテンツおよび品質面で同等のものになるようにします。
深刻度の構成:
参考情報 - なし
問題 - あるミックスに、他のミックスに存在する音声素材が欠けています (例: 5.1にはある音声素材が2.0ミックスに欠けている)。
予防法:
各ミックスを確認して一貫性を持たせます。ミックスダウンを完了する前に、個々のトラック
レベルを適切に調整してください。
修正方法:
対象のミックスで欠けていた音声素材を追加し、音量を調整します。
[013] Mono Audio
説明:
モノラル音声 (Mono Audio) は、音声トラックが複製されていることを示しています。これにより、ステレオやサラウンドのパンニング効果が実質的に失われます。
影響:
モノラル音声は、対象素材の技術品質とコンテンツ品質の両方に影響を与えます。モノラル音声が制作意図ではない場合、パンニング効果が欠けることにより、視聴体験が不完全になったり、品質が低下したりします。このミックスから派生したすべての納品物にも、不適切なモノラル音声が含まれます。
深刻度の構成:
参考情報 - モノラル音声が制作意図であることが明らかです (例: 対応するアーカイブ映像でモノラル音声の使用が想定される、あるいは全編で使用されている)。
問題 - 2.0の各トラックに、まったく同じ音声が含まれています。あるいは、5.1にサラウンドチャンネル間のパンがありません。また、位相スコープで音声信号を確認した時に、位相が0の状態や左右のチャンネル間のパンがない状態が見られ、モノラル音声であることが表示されます。
予防法:
メタデータでトラックの正確なラベリングを行います。必ず5.1を適切にミックスダウンして2.0を作成します (トラックを単に複製しないでください)。
修正方法:
パンニング効果を残すために、問題のあるミックスを5.1のミックスダウンに入れ替えて、再納品します。M&Eに同様の問題がないか確認し、必要があればM&Eも再納品してください。
[014] Audio Panning Error
説明:
音声のパンニングエラー (Audio Panning Error) は、ステレオの左右のチャンネルのバランスが不適切で、画面のアクションに合っていないことを意味します。このような状態が一定の時間だけ起こる場合、または作品全体を通して左右いずれかのチャンネルに音量が偏る場合があります。
影響:
音声のパンニングエラーは、対象素材の技術品質とコンテンツ品質に影響を与えます。意図せず左右いずれかに音量が偏り、画面のアクションとずれてしまうと、視聴体験の妨げになることがあります。
深刻度の構成:
参考情報 - 音声のパンニングが制作意図によるものと判断できます (例: 画面のアクションからパンニング効果の意図がわかる場合)。
問題 - 音声のパンニングが画面のアクションに一致しておらず、視聴に支障をきたしています。長い時間または作品の大部分において、左右いずれかのチャンネルに音量が偏っており、ミキシングに問題があることを示しています。
予防法:
適切なステレオバランスでミックスし、不正確なパンニングを防ぎます。
修正方法:
ステレオバランスを調整し、制作意図に沿ったミキシングを適切に反映させます。M&Eに同様の問題がないか確認し、必要があればM&Eも再納品してください。
[015] Audio Phase Error
説明:
音声の位相ずれ (Audio Phase Error) は、異なる収録信号の周波数が同じなのに部分的または完全に逆転している時に発生し、ミックスの特定要素が遅れて聞こえたり、打ち消されて聞こえなくなったりします。2つの周波数が180度完全に位相が異なる場合は通常、「減殺的干渉」または「フェイズキャンセレーション」と呼ばれます。
影響:
音声の位相ずれは、対象素材の技術品質とコンテンツ品質に影響を与えます。位相ずれによって、意図した音声が聞こえにくくなるため、視聴体験が損なわれます。信号の位相が90度異なると、意図せず音声がこもったり、キンキンしたりします。信号の位相が180度異なると、完全に無音になります。
深刻度の構成:
参考情報 - なし
問題 - ミックスの一部がこもって聞こえたり、セリフや効果音の抜け落ちが見られ、位相ずれの可能性を示しています。また、オシロスコープのリサージュ表示機能で位相ずれを視覚的に確認できます。
予防法:
撮影時に、ある音源の録音を意図したマイクで別の音源が拾われるのを防ぐため、複数のマイクを使い過ぎないようにします。撮影現場では反射面に注意します。反射面によって音が反響し、意図しないマイクで収音されることがあります。3:1ルールに従って、適切なマイクの間隔を確保してください。
修正方法:
タイムラインで対象ステムを少しずらして位相に入れるか、位相調整用プラグインを使用して問題を修正します。
[016] Audio Drop Out/ Mute
説明:
音声の欠落/ミュート (Audio Drop Out/ Mute) は、音声ミックス、チャンネル、トラックに音声信号がまったく入力されていない状態を指します。
影響:
音声の欠落は、対象素材のコンテンツ品質と技術品質の両方に影響を与えます。音声の欠落や意図しない無音部分があると、視聴体験が損なわれます。
深刻度の構成:
参考情報 - なし
問題 - 1つ以上のチャンネルの音声が完全に無音になり、音声波形やオーディオメーターで音声信号が欠落している状態を確認できます。音声が突然なくなり、前後関係から制作意図を示す情報が見つかりません。無音状態が数サンプル~数秒間続きます。
予防法:
画像と音声を照らし合わせて不一致がないかチェックします。ミックスする時に、音声波形やオーディオメーターで音声が完全に欠落している部分がないかチェックします。これは、音量が意図的に下げられていないことを確認する際の良い目安になります。
修正方法:
プリントマスターの再録音に問題があった可能性があります。プリントマスターを確認し、修正します。必要に応じて、パッケージし直し再納品してください。M&Eに同様の問題がないか確認し、必要があればM&Eも再納品してください。
[017] MOS Audio
説明:
無音 (MOS Audio) は、音声チャンネルに情報がまったくないことを意味します。
影響:
無音は、対象素材の技術品質に影響を与えます。音声情報が提供されないので、視聴体験が著しく損なわれます。
深刻度の構成:
参考情報 - 時代物の作品であるか、無声映画のスタイルで制作されています。
問題またはブロッカー - 5.1または2.0のミックスのすべてのチャンネルに信号または波形情報がありません。
予防法:
エクスポート設定を必ず確認し、エクスポート後に音声トラックのスポットチェックを行います。意図せずトラックを移動したり削除したりしないように、編集時以外は音声トラックを定置にロックします。
修正方法:
意図した情報を使ってチャンネルを入れ替えます。
[018] Audio Skip
説明:
音声のスキップ (Audio Skip) は、音声ミックス、チャンネル、またはトラックに含まれる音声シグナルが不規則に途切れることを意味します。
影響:
音声のスキップは、対象素材のコンテンツ品質と技術品質の両方に影響を与えます。音量が意図せずに落ちたり途切れたりすることで、視聴体験が損なわれます。シーンの前後関係を考慮しても、制作意図がないエラーの場合がほとんどです。
深刻度の構成:
参考情報 - なし
問題 - 1つ以上のチャンネルの音量が一時的に下がりますが、音声波形やオーディオメーターでは信号は表示されています。ミックスの中の1つの要素 (セリフ、音楽、効果音) の音量が無関係に下がっていることを指すこともあります。
予防法:
音声をチェックして不一致がないか確認します。音声波形やオーディオメーターで信号の一時的な低下がないかチェックします。
修正方法:
プリントマスターの再録音に問題があった可能性があります。プリントマスターを確認し、修正します。必要に応じて、パッケージし直し再納品してください。M&Eに同様の問題がないか確認し、必要があればM&Eも再納品してください。
[019] Audio Level Shift/Change
説明:
音声レベルシフト/変更 (Audio Level Shift/Change) は、音声の基準レベルまたはピークレベルが意図せずに突然変わることを指します。
影響:
音声レベルシフト/変更は、対象素材のコンテンツ品質に影響を与えます。セリフが聞き取れる音量を下回ると、視聴体験が損なわれます。また、音声レベルが突然上がると、スムーズな視聴体験が妨げられる場合があります。作品プロデューサーの制作意図の場合もあります。
深刻度の構成:
参考情報 - レベルシフトが再生中に認識できるほどではありません。あるいは、状況的に対象シーンの制作意図と考えるのが妥当です。
問題 - カットの音声レベルが唐突に変わっています。あるいは、それまでの音声レベルと著し
く異なっています。
予防法:
タイムラインの音声をチェックして、書き出し前に再確認します。Netflixは、音声レベルの確認にDolby Media Meter、Nugen LM Correct、Baton Auto QCを使用しています。測定の一貫性を確保するため、同じツールを使用してください。カット単位で、音声レベルの変動が発生していないか確認します。
修正方法:
音声レベルが突然変わることがないように、音声の基準レベルを再調整します。M&Eに同様の問題がないか確認し、必要があればM&Eも再納品してください。
[020] Loudness LKFS Out of Spec
説明:
LKFSラウドネス規格外 (Loudness LKFS Out of Spec) は、音声ミックス全体のラウドネス平均値が仕様に適合していないことを意味します。M&Eミックスはこの仕様に従う必要はないため、測定から除外してください。
影響:
LKFSラウドネス規格外は、対象素材の技術品質に影響を与えます。Netflixの納品仕様を満たしていません。
深刻度の構成:
参考情報 - なし
問題 - LKFSの測定値が、ITU-R BS. 1770-1および1770-3で規定されたパラメータや許容範囲の枠外になっています。
予防法:
タイムラインの音声をチェックして、書き出し前に再確認します。Netflixでは、ラウドネスの確認にDolby Media Meter、Nugen LM Correct、Baton Auto QCを使用しています。測定の一貫性を確保するため、同じツールを使用してください。
修正方法:
ラウドネスを調整して、音声ファイルが仕様に適合するようにしてください。全体のラウドネス平均値を調整して、再び書き出します。
[021] Low Level Audio
説明:
音量/レベルが低い音声 (Low Level Audio) は、極端に低いレベルにピークがある音声トラックやセグメントがある状態を指します。
影響:
音量/レベルが低い音声は、対象素材のコンテンツ品質に影響を与えます。制作意図よりも音量レベルがはるかに低い場合、セリフや効果音が聞こえず、視聴体験が損なわれることになります。
深刻度の構成:
参考情報 - 音量の低い箇所がありますが、再生時に視聴体験に影響を与えないか、シーンの前後関係から制作意図であると判断できるものです。
問題 - 著しく低いレベルにピークがある音声トラックまたはセグメントがあり、意図したミックスが部分的に聞き取れなくなっています。
予防法:
クリップしないようにしながら、適切な信号レベルで正確に収録します。
音声の相互作用のバランスを図り、ミックスの一貫性を保ちます。
視聴者の視点でコンテンツを視聴し、音声が快適かつクリアな音量になっていることを確認します。
Netflixオリジナル作品を扱っている場合は、必要とされるラウドネス平均値とピーク音量が具体的に記載されている音声ミキシング要件に必ず従ってください。
修正方法:
対象の音声レベルを修正して、コンテンツ全体で一貫した音量になるようにします。
[022] True Peak Out of Spec
説明:
トゥルーピーク規格外 (True Peak Out of Spec) は、作品内で音声のトゥルーピークの最大振幅値が仕様のガイドラインを満たしていないことを指します。
影響:
トゥルーピーク規格外は、対象素材の技術品質に影響を与えます。素材のピークレベルがNetflixの納品仕様を満たしていません。
深刻度の構成:
参考情報 - なし
問題 - 音声のトゥルーピークが、Netflixの仕様に記載された-2 dbfs (-20 dbfsリファレンス上で+18 dBを維持) を超えています。
予防法:
後の工程でピークの問題が発生するのを防ぐため、収録時の音声のゲインにも十分注意します。
音声のミックス作業では、ピークが仕様通りに確実にノーマライズされるようにしてください。
タイムラインの音声をチェックして、書き出し前に再確認します。Netflixは、トゥルーピークの確認にDolby Media Meter、Nugen LM Correct、Baton Auto QCを使用しています。測定の一貫性を確保するため、同じツールを使用してください。
修正方法:
ピークレベルが仕様に準拠するようにゲイン全体を下げる必要があります。ピークを制限し、音声を再度書き出してください。全体的にピークがそろっていない場合は、再ミックスが必要になることがあります。M&Eの音声のピーク値も確認し、必要に応じて再納品してください。
[023] Ident Audio Mismapped
説明:
アイデント (ロゴ映像) 音声の誤ったマッピング (Ident Audio Mismapped) は、Netflixアイデント (ロゴ映像) のソース音声トラックが、所定の音声チャンネルの順序どおりに配置されていないことを意味します。
影響:
アイデント (ロゴ映像) 音声の誤ったマッピングは、Netflixブランドのアイデンティティに影響します。ブランディングにおいてアイデント (ロゴ映像) は適切に組み込まれる必要がありますが、その要件を満たさない状態になります。
深刻度の構成:
参考情報 - なし
問題 - 5.1chミックスまたはステレオ音声ミックスのいずれかのチャンネルが、不適切なチャンネル配置でマッピングされています。
予防法:
誤って変更されてしまう可能性があるため、ミキシングや編集工程ではタイムラインにアイデント (ロゴ映像) を入れないようにします。書き出し直前に、変更されていないアイデント (ロゴ映像) を入れます。
Netflixでは、フルフィルメントパートナーが納品時にアイデント (ロゴ映像) を組み込む作業をなくすために、社内のパイプラインの中で納品後にアイデント (ロゴ映像) を自動的に結合できるようにする計画を進めています。
修正方法:
変更されていないオリジナルのアイデント (ロゴ映像) に入れ替えて、再度書き出します。
[024] Ident Audio Mix Down
説明:
アイデント (ロゴ映像) 音声のミックスダウン (Ident Audio Mix Down) は、Netflixアイデント(ロゴ映像) の2.0ch音声が、5.1ch音声をステレオトラックにミックスダウンして作成されたことを意味します。
影響:
アイデント (ロゴ映像) 音声のミックスダウンは、Netflixブランドのアイデンティティに影響します。ブランディングにおいてアイデント (ロゴ映像) は適切に組み込まれる必要がありますが、その要件を満たさない状態になります。
深刻度の構成:
参考情報 - なし
問題 - Netflixアイデント (ロゴ映像) のステレオ音声に不適切なミックスが含まれています。
予防法:
誤って変更されてしまう可能性があるため、ミキシングや編集工程ではタイムラインにアイデント (ロゴ映像) を入れないようにします。書き出し直前に、変更されていないアイデント (ロゴ映像) を入れます。
Netflixでは、フルフィルメントパートナーが納品時にアイデント (ロゴ映像) を組み込む作業をなくすために、社内のパイプラインの中で納品後にアイデント (ロゴ映像) を自動的に結合できるようにする計画を進めています。
修正方法:
変更されていないオリジナルのアイデント (ロゴ映像) に入れ替えて、再度書き出します。
[025] Ident Audio True Peaks Out of Spec
説明:
アイデント (ロゴ映像) 音声のトゥルーピーク規格外 (Ident Audio True Peaks Out of Spec) は、所定のリファレンスレベルに対して音声のピークレベルの設定が不適切であることを意味します。
影響:
アイデント (ロゴ映像) 音声のトゥルーピーク規格外は、Netflixブランドのアイデンティティに影響します。ブランディングにおいてアイデント (ロゴ映像) は適切に組み込まれる必要がありますが、その要件を満たさない状態になります。
深刻度の構成:
参考情報 - なし
問題 - Netflixアイデント (ロゴ映像) のトゥルーピークレベルが仕様と異なっています。
予防法:
誤って変更されてしまう可能性があるため、ミキシングや編集工程ではタイムラインにアイデント (ロゴ映像) を入れないようにします。書き出し直前に、変更されていないアイデント (ロゴ映像) を入れます。
Netflixでは、フルフィルメントパートナーが納品時にアイデント (ロゴ映像) を組み込む作業をなくすために、社内のパイプラインの中で納品後にアイデント (ロゴ映像) を自動的に結合できるようにする計画を進めています。
修正方法:
変更されていないオリジナルのアイデント (ロゴ映像) に入れ替えて、再度書き出します。
[026] Ident Audio Out of Sync
説明:
アイデント (ロゴ映像) 同期エラー (Ident Audio Out of Sync) は、対応するNetflixアイデント (ロゴ映像) のアニメーションに対し、Netflixアイデント (ロゴ映像) の音声が不適切に配置されていることを指します。
影響:
アイデント (ロゴ映像) 同期エラーは、Netflixブランドのアイデンティティに影響します。ブランディングにおいてアイデント (ロゴ映像) は適切に組み込まれる必要がありますが、その要件を満たさない状態になります。
深刻度の構成:
参考情報 - なし
問題 - Netflixのアイデント (ロゴ映像) の“ノック音”が所定のタイミングで組み込まれていません。
予防法:
誤って変更されてしまう可能性があるため、ミキシングや編集工程ではタイムラインにアイデント (ロゴ映像) を入れないようにします。書き出し直前に、変更されていないアイデント (ロゴ映像) を入れます。
Netflixでは、フルフィルメントパートナーが納品時にアイデント (ロゴ映像) を組み込む作業をなくすために、社内のパイプラインの中で納品後にアイデント (ロゴ映像) を自動的に結合できるようにする計画を進めています。
修正方法:
変更されていないオリジナルのアイデント (ロゴ映像) に入れ替えて、再度書き出します。
[027] Dialogue Out of Sync
説明:
セリフの同期エラー (Dialogue Out of Sync) は、セリフが画面の俳優の口の動きに合っていないことを指します。
影響:
セリフの同期エラーは、対象素材の技術品質とコンテンツ品質に影響を与えます。俳優の口の動きがセリフの声と合っていないと、視聴体験が損なわれます。シームレスな視聴体験が妨げられることもあります。
深刻度の構成:
参考情報 - なし
問題 - 画面の俳優の口の動きに対して、セリフが1フレーム以上早く、または遅れて聞こえます。セリフの同期エラーはアフレコが原因の場合もありますが、レビューするために必ずフラグを付けてください。
予防法:
編集中に同期がずれやすいため、音声が口の動きと正確に一致するように、タイムラインで音声の配置を確認します。音声と映像が同じフレームレートで収録されていることを確認します。
修正方法:
セリフミックスの音声をビデオに同期する必要があります。必要に応じて、音声を再び書き出してください。
[028] Music Out of Sync
説明:
音楽の同期エラー (Music Out of Sync) は、音楽のタイミングが画面の映像と一致していない状態を指します。
影響:
音楽の同期エラーは、対象素材の技術品質とコンテンツ品質に影響を与えます。音楽のタイミングと画面上のきっかけのずれが目立つと、視聴体験が損なわれます。シームレスな視聴体験が妨げられることもあります。
深刻度の構成:
参考情報 - なし
問題 - 音楽が、画面の視覚的なきっかけまたは場面展開のテンポと明らかに一致していません。画面のキャラクターの演奏 (楽器演奏) に直接関係する音楽が、2フレーム分以上同期していません。
予防法:
編集中に同期がずれやすいため、音声が画面のアクションと正確に一致するように、タイムラインで音声の配置を確認します。音声と映像が同じフレームレートで収録されていることを確認します。
M&EのQCで、音楽トラックの同期エラーをチェックし、そのM&E素材から派生するすべての吹替音声に同じエラーが発生しないようにします。
修正方法:
必要に応じて、タイムラインで音楽の同期を修正し、再度書き出します。M&Eに同様の問題が
ないか確認し、必要があればM&Eも再納品してください。
[029] Effects Out of Sync
説明:
効果音の同期エラー (Effects Out of Sync) は、効果音のタイミングが画面の映像と一致していない状態を指します。
影響:
効果音の同期エラーは、対象素材の技術品質とコンテンツ品質に影響を与えます。効果音と画面上のきっかけのタイミングが一致しないと、視聴体験が損なわれます。シームレスな視聴体験が妨げられることもあります。
深刻度の構成:
参考情報 - 画面の動きに対して、効果音が早くまたは遅れて聞こえますが、ずれが1フレーム以内です。
問題 - 画面の動きに対して、効果音が2フレーム以上早くまたは遅れて聞こえます。
予防法:
編集中に同期がずれやすいため、音声が画面のアクションと正確に一致するように、タイムラインで音声の配置を確認します。
音声と映像が同じフレームレートで収録されていることを確認します。
M&EのQCで、効果音トラックの同期エラーをチェックし、そのM&E素材から派生するすべての吹替音声に同じエラーが発生しないようにします。
修正方法:
必要に応じて、タイムラインで効果音の同期を修正し、再度書き出します。M&Eに同様の問題がないか確認し、必要があればM&Eも再納品してください。
[030] Global Sync Drift Early
説明:
グローバルクイックドリフト (Global Sync Drift Early) は、1つのセクションまたは作品全体でドリフトが次第に早くなる音声同期を意味します (例: 同期した状態で始まった音声が、作品の中間あたりでは2秒早くなり、終了時には5秒早くなる)。
影響:
グローバルクイックドリフトの問題は、技術品質とコンテンツ品質に影響を与えます。同期のずれが次第に目立つようになって視聴の邪魔になり、最終的には視聴に堪えないコンテンツになります。
深刻度の構成:
参考情報 - なし
問題 - 画面のアクションやセリフに比べて、音声のドリフトが早い状態にあります。
予防法:
編集中に同期がずれやすいため、音声が画面のアクションと正確に一致するように、タイムラインで音声の配置を確認します。
音声と映像が同じフレームレートで収録されていることを確認します。
修正方法:
必要に応じて、フレームレートを調整するかタイムラインで同期の問題を修正し、再度書き出します。M&Eに同様の問題がないか確認し、必要があればM&Eも再納品してください。
[031] Global Sync Drift Late
説明:
グローバルスロードリフト (Global Sync Drift Late) は、1つのセクションまたは作品全体でドリフトが次第に遅くなる音声同期を意味します (例: 同期した状態で始まった音声が、作品の中間あたりでは2秒遅くなり、終了時には5秒遅くなる)。
影響:
グローバルスロードリフトの問題は、技術品質とコンテンツ品質に影響を与えます。同期のずれが次第に目立つようになって視聴の邪魔になり、最終的には視聴に堪えないコンテンツになります。
深刻度の構成:
参考情報 - なし
問題 - 画面のアクションやセリフに比べて、音声のドリフトが遅い状態にあります。
予防法:
編集中に同期がずれやすいため、音声が画面のアクションと正確に一致するように、タイムラインで音声の配置を確認します。
音声と映像が同じフレームレートで収録されていることを確認します。
修正方法:
必要に応じて、フレームレートを調整するかタイムラインで同期の問題を修正し、再度書き出します。M&Eに同様の問題がないか確認し、必要があればM&Eも再納品してください。
[032] Global Sync Offset
説明:
グローバルオフセット (Global Sync Offset) は、セクション間または作品全体の音声の同期が、一定のフレームまたは秒数ずれている (早いまたは遅い) 状態を指します。
影響:
グローバル同期のオフセットは、技術品質とコンテンツ品質に影響を与えます。影響が小さい場合でも視聴体験の妨げになります。深刻な場合、最終的には視聴に堪えないコンテンツになります。
深刻度の構成:
参考情報 - 音声の同期のずれが1フレーム以下であり、1つのショットまたは短時間でのみ発生しています。
問題 - 音声の同期が2フレーム以上ずれています。同期のずれが1フレーム以下の場合でも、グローバルオフセットエラーがシーン全体または作品全体にわたって発生しています。
予防法:
編集中に同期がずれやすいため、音声が画面のアクションと正確に一致するように、タイムラインで音声の配置を確認します。
音声と映像が同じフレームレートで収録されていることを確認します。
修正方法:
必要に応じて、タイムラインで同期の問題を修正し、再度書き出します。M&Eに同様の問題がないか確認し、必要があればM&Eも再納品してください。
[033] Extraneous Dialogue
説明:
余計なセリフ (Extraneous Dialogue) は、画面の映像と一致しない余計なセリフが音声トラックにあることを指します。これは、現場収録のセリフ、作品の別のセリフの複製、あるいは最終ミックスに残っている仮のセリフの可能性があります。
影響:
余計なセリフは、対象素材のコンテンツ品質に影響を与えます。画面のアクションに無関係なセリフやそぐわないセリフがあると、視聴体験が損なわれます。
深刻度の構成:
参考情報 - 画面のキャラクターが発していないセリフがありますが、対象シーンの文脈の中ではつじつまが合っています。
問題 - 別のシーンまたは同じ作品内の別の箇所のセリフが入っています。あるいは、音楽または効果音しかないはずのシーンにセリフが入っています。
予防法:
仮の作業トラックと最終トラックを完全に分けて、処理中でない音声トラックはロックし、誤って別のトラックを処理しないようにします。画像と音声を照らし合わせて、場違いな音声や重複している音声がないか確認します。
修正方法:
余計なセリフを必ず取り除いてから、正しいセリフ、音楽、環境効果に入れ替えます。
[034] Extraneous Music
説明:
余計な音楽 (Extraneous Music) は、対象シーンの文脈に合わない余計な楽曲や環境音楽が存在することを指します。
影響:
余計な音楽は、対象素材のコンテンツ品質に影響を与えます。余計な音楽によってセリフが聞き取りにくくなったり、音楽がシーンに意図した感情表現を妨げたりするため、視聴体験が損なわれます。
深刻度の構成:
参考情報 - キャラクターが話している最中に音楽が入っていますが、対象シーンや作品の感情表現に合っています。
問題 - 作品の音楽が、プロダクションロゴやNetflixアイデント (ロゴ映像)、キャラクターが話しているショットに重なっており、対象シーンの文脈から制作意図と考えられません。
予防法:
仮の作業トラックと最終トラックを完全に分けて、処理中でない音声トラックはロックし、誤って別のトラックを処理しないようにします。画像と音声を照らし合わせて、場違いな音声や重複している音声がないか確認します。
修正方法:
余計な音楽を必ず取り除いてから、意図した音声に入れ替えます。
[035] Extraneous Audio Description
説明:
余計な音声ガイド (Extraneous Audio Description) は、音声ガイドが重複している、または音声ガイドが作品の展開と一致していない状態を指します。
影響:
余計な音声ガイドは、対象素材のコンテンツ品質に影響を与えます。音声ガイドが重複したり、間違っていたり、画面上のキャラクターのセリフを遮ったりすると、視聴体験が損なわれます。
深刻度の構成:
参考情報 - なし
問題 - 正確でない、または重複する音声ガイドが存在します。あるいは、音声ガイドがキャラクターのセリフやあらすじ関連の音声にかぶり、支障をきたしています。
予防法:
仮の作業トラックと最終トラックを完全に分けて、処理中でない音声トラックはロックし、誤って別のトラックを処理しないようにします。画像と音声を照らし合わせて、場違いな音声や重複している音声がないか確認します。
修正方法:
余計な音声ガイドを必ず取り除いてから、意図した音声に入れ替えます。
[036] Extraneous Effect
説明:
余計な効果音 (Extraneous Effect) は、制作意図ではなく、シーンの文脈上不自然と思われる余計な効果音 (ノック音、 足音、銃声、環境音など) が作品に存在していることを意味します。
影響:
余計な効果音は、対象素材のコンテンツ品質に影響を与えます。余計な効果音は、制作意図に反して間違ったストーリーの手がかりを与えてしまうおそれがあるため、視聴体験が損なわれます。また、余計な効果音によって、シーンで意図されたセリフや音楽が聞こえにくくなることがあります。
深刻度の構成:
参考情報 - 効果音が画面のアクションと合っていませんが、対象シーンの状況から、画面外のアクションによるものと判断できます。
問題 - 明らかに効果音があるべきではない箇所に存在します。本来の意図が変わってしまう、あるいは制作者が意図していたタイミングの前にあらすじ上重要な情報が知られてしまうおそれがあります。
予防法:
仮の作業トラックと最終トラックを完全に分けて、処理中でない音声トラックはロックし、誤って別のトラックを処理しないようにします。画像と音声を照らし合わせて、場違いな音声や重複している音声がないか確認します。
修正方法:
余計な効果音を必ず取り除いてから、意図した音声に入れ替えます。
[037] Missing Dialogue
説明:
セリフの欠落 (Missing Dialogue) は、環境効果や音楽があるにも関わらず、音声ミックスにセリフがないことを指します。
影響:
セリフの欠落は、対象素材のコンテンツ品質に影響を与えます。セリフ情報がワンシーンあるいは作品全体にわたって存在しない場合、視聴体験が損なわれます。
深刻度の構成:
参考情報 - セリフ情報がありませんが、シーンの前後関係から制作意図と判断できます。
問題 - 画面のキャラクターの口の動きがはっきり見えているのに、セリフが聞こえません。制作意図であると明確に判断できる情報がありません。プロット上の重要な情報が失われています。
予防法:
トラック情報を誤って削除しないように、処理中でない音声トラックはロックします。音声を映像に照らし合わせて、キャラクターが口を動かしているのにセリフ情報が抜けているシーンを特定します。
修正方法:
欠落しているセリフをすべて入れ替えます。元々想定されたセリフがない場合は、必要に応じてアフレコを行います。
誤って抜け落ちた、あるいは削除されてしまった既存の音声を編集で追加します。映像と一致するように、音声 (吹替音声) の再録音を行います。
[038] Missing Music
説明:
音楽の欠落 (Missing Music) は、環境効果やセリフがあるにも関わらず、音声ミックスに音楽がないことを指します。
影響:
音楽の欠落は、対象素材のコンテンツ品質に影響を与えます。意図した音楽のきっかけがなくなったり、音楽だけが聞こえているはずのシーンで音がないと、視聴体験が損なわれます。また、音楽が欠落すると、シーンに意図された感情表現が分かりにくくなったり、失われたりすることがあります。
深刻度の構成:
参考情報 - 音楽がないのは、特にセリフがメインになるシーンです。または、前後関係から音楽がないことが制作意図であると判断できます。
問題 - 音楽がなく、環境効果もありません。文脈から考えて明らかに音楽がミックスに入って
いるべきですが、入っていません。
予防法:
トラック情報を誤って削除しないように、処理中でない音声トラックはロックします。書き出し前に、画像と音声を照らし合わせて、音楽が存在するべき部分をチェックします。
修正方法:
該当するすべてのシーンで意図した音楽に入れ替えます。
[039] Missing Effect
説明:
効果音の欠落 (Missing Effect) は、1つまたは複数、あるいはすべての音響効果や環境音、プロダクションエフェクトが音声ミックスにないことを指します。セリフや音楽はありますが、効果音だけが欠落しています。
影響:
効果音の欠落は、対象素材のコンテンツ品質に影響を与えます。画面のアクションに対応する効果音がない場合や、効果音が聞こえないためにストーリーの重要な手掛かりがわかりにくくなる場合、視聴体験が損なわれます。作品全体に必要な効果音が入っていないと、シームレスで自然な視聴体験が妨げられることがあります。
深刻度の構成:
参考情報 - セリフまたは音楽中心のシーンで画面上の効果音が欠けていますが、あまり目立ちません。あらすじには直接関連しない画面外のアクションに対応する効果音が欠けています。
問題 - アクション中心のシーンで、アクションに対応する効果音が抜けています。または、シーンや作品が自然に聞こえるようにするために必要な環境音や効果音のフィルが存在しません。
予防法:
トラック情報を誤って削除しないように、処理中でない音声トラックはロックします。音声を映像に照らし合わせて、画面上のすべてのアクションに対応する効果音が入っていることを確認します。
サブオーディオで効果音が欠落しているケースがよく見られます。M&EのQCでは、効果音の欠落がないかチェックし、その素材から作成したすべての吹替音声で効果音が欠落することのないようにしています。
修正方法:
ステージ環境で事前録音または再録音した効果音、フォーリーなどの効果音を使って、欠落した要素を入れ替えます。
[040] Incorrect Asset - Title
説明:
間違った素材 - タイトル (Incorrect Asset - Title) は、作品の正確なタイトルが含まれていない素材、または間違ったソースリクエストに対して納品された素材のことを指します。
影響:
間違ったタイトルによってどの作品であるかがわかりにくくなり、エピソードコンテンツでシーケンスの問題が発生する可能性があります。
深刻度の構成:
参考情報 - なし
ブロッカー - 間違った素材が受領されたか、作品のタイトル (またはエピソード番号) がリクエストで指定されている最終承認済みのタイトルと一致しません。これはブロッカーとして対応し、先に進める前にサポートチケットを提出してください。
予防法:
納品時に、バッケージIDがソースリクエストと一致することを確認します。
納品時に、ファイル名とソースリクエストを照らし合わせて確認します。
作品内のタイトルと所定のタイトルを照らし合わせて確認します。
修正方法:
間違ったエピソードが送信された場合や、間違ったソースリクエストにファイルが納品された場合は、正しいファイルを送信するか、正しいソースリクエストに再納品する必要があります。作品内のタイトルが、最終承認済みのタイトルと一致しない場合は、更新して再納品する必要があります。
[041] Incorrect Asset - Language
説明:
間違った素材 - 言語 (Incorrect Asset - Language) は、所定の言語以外の言語のセリフで納品された素材を指します。
影響:
お客様が選択した言語でなければ理解できないため、こうしたアセットは視聴できなくなります。
深刻度の構成:
参考情報 - なし
ブロッカー - 素材に指定された言語が含まれていません。これはブロッカーとして対応し、先に進める前にサポートチケットを提出してください。
予防法:
納品時に、バッケージIDがソースリクエストと一致することを確認します。
納品時に、ファイル名とソースリクエストを照らし合わせて確認します。
所定の言語のキーワードを聞き取ります。
修正方法:
正しい言語の音声ファイルを再納品します。
[042] Incorrect Asset - Asset Type
説明:
間違った素材 - 素材タイプ (Incorrect Asset - Asset Type) は、ソースリクエストに納品されたファイルの種類または形式が間違っていることを意味します。
影響:
納品されたファイルが、リクエストで指定されている仕様またはファイルの種類に一致しないため、この素材はサービスで利用できません。
深刻度の構成:
参考情報 - なし
ブロッカー - 納品された素材が、リクエストで指定されている仕様またはファイルの種類に一致しません。これはブロッカーとして対応し、先に進める前にサポートチケットを提出してください。
予防法:
納品時に、ファイル名と拡張子をソースリクエストと照らし合わせて確認します。
修正方法:
正しい素材を再納品します。
[043] Animation Error
説明:
アニメーションエラー (Animation Error) は、アニメーションコンテンツに起因または関連する映像の乱れや素材の破損を指します。キャラクターやオブジェクトの色の変化から、シーンに意図的に加えられたものではない映像の乱れまで、多種多様なエラーが含まれます。アニメーション自体に見られる不整合で、他のエラーコードにあてはまらないものも対象となります。
影響:
アニメーションエラーは、対象素材のコンテンツ品質に影響を与えます。アニメーションが乱れることにより、視聴体験が損なわれます。
深刻度の構成:
参考情報 - なし
問題 - アニメーションエラーにより、画面のキャラクターやオブジェクトに影響が生じています。
予防法:
レンダリングの前にすべてのキーフレームとマットを見直し、アニメーションで整合性が取れていない箇所がないか確認します。
修正方法:
アニメーションエラーが軽微な場合やフレームの端近辺で発生している場合は、再コンポジットや簡単なペイント修正で対処できることがあります。アニメーションエラーが目立つ場合はおそらく、アニメスタジオに戻し、対象ショットを修正してからレンダリングし直す必要があります。
[044] Abrupt Edit
説明:
唐突な編集 (Abrupt Edit) は、制作意図ではない不完全なトランジション効果やハードカットを指します。
影響:
唐突な編集は、対象素材のコンテンツ品質に影響を与えます。コンテンツプロデューサーの制作意図が正しく伝わらなくなることに加え、お客様のシームレスな視聴体験が妨げられます。
深刻度の構成:
参考情報 - なし
問題 - シーン全体の流れと一致しない形でショットが突然カットされています。間違ったフ
レームやショット全体が脈絡なく表示されています。
予防法:
すべての編集ポイントとトランジション効果について、タイミングが合っていないカットがないか確認します。
ビデオと音声の再生時間が同じであることをタイムラインで確認します。
修正方法:
不適切なビデオを入れ替えるか、トランジション効果が唐突にならないように再編集する必要があります。
必要に応じて対象箇所を延長またはトリミングし、再度書き出してください。
[045] DRS/ Paint Fix Error
説明:
DRSまたはペイント修正のエラー (DRS/ Paint Fix Error) は、問題のある箇所のバレ消し処理が視覚的に明らかである、あるいは不適切に処理されていることを意味します。
影響:
DRSまたはペイント修正のエラーは、対象素材のコンテンツ品質と技術品質に影響を与えます。不適切な箇所が隠されていることが明らかなため、視聴体験が損なわれます。ペイント修正の品質が低いと、問題があった箇所に注意が向いてしまい、修正をしない状態よりも視聴の妨げになる場合があります。
深刻度の構成:
参考情報 - なし
問題 - 修正した箇所に、輪郭やブロック/箱の形状がはっきりと見られます。対象フレームやショットで、該当箇所の色およびグレインやノイズの密度が周囲と調和していません。
予防法:
ペイント修正をすべて見直し、不適切な修正によってマットが目立つ箇所や、輪郭をはっきりと確認できる箇所がないかチェックします。
修正方法:
適用した修正を滑らかにするためにDIにさらに時間をかける、ペイントで消した問題箇所を修
正するのに別の対応が必要になったりする場合があります。
[046] Compositing Error
説明:
合成エラー (Compositing Error) は、VFXやCGIの不十分な実装に起因または関連する映像の乱れや不具合を指します。キャラクターやオブジェクトの色やマットのずれから、シーン本来の意図とは無関係な映像の乱れまで、さまざまな種類のエラーが含まれます。
影響:
合成エラーは、対象素材のコンテンツ品質に影響を与えます。明らかな合成ミスや低品質の合成処理によってお客様の視聴が阻害され、シームレスな視聴体験が妨げられます。
深刻度の構成:
参考情報 - なし
問題 - キャラクターやオブジェクトの周辺が歪んでいる、キャラクターやオブジェクトがわずかに透過して見える、マットが不完全またはオーバーラップしているなど、VFXの不整合が著しく目立っています。
予防法:
VFX素材をリファレンスレベルで確認するほか、黒レベルを上げて合成の問題がないか確認します。
修正方法:
多くの場合、VFX工程に戻して、不適切となりうるレンダリングを修正する必要があります。
マットなどの要素を調整して、フレームやショット内で均一になるようにします。
[047] Chroma Contamination
説明:
クロマ汚染 (Chroma Contamination) は、フレーム内の隣接する色値が不適切ににじんでいる状態、またはショット内の素材に強いノイズや彩度過剰が見られる状態を指します。
影響:
クロマ汚染は、対象素材のコンテンツ品質に影響を与えます。色同士の明らかなにじみ、または色の歪みが発生すると、ショットやシーンの意図しない部分に注意が引き付けられるため、視聴体験が損なわれます。
深刻度の構成:
参考情報 - なし
問題 - 画面上の色が彩度過剰になっており、強いノイズと歪みが見られます。または、キャラクターやオブジェクトの境界周辺で色がはっきり分かれています。
予防法:
色補正を確認し、色のレベルが強すぎてノイズが意図せず発生することがないようにします。
修正方法:
制作意図を確認してください。必要に応じて色補正の工程に戻し、色のレベルや彩度を調整します。
[048] Contaminated Blacks
説明:
黒の汚染 (Contaminated Blacks) は、黒レベルに彩度が入っている、または強いノイズやむらがある状態を指します。
影響:
黒の汚染は、対象素材のコンテンツ品質に影響を与えます。黒レベルが不自然に見えたり、ノイズが入って見えたりすると、視聴体験が損なわれます。
深刻度の構成:
参考情報 - なし
問題 - 黒や影のノイズが強すぎる、濃淡のむらがある、あるいは赤み、青み、緑がかっているように見えます。
予防法:
色補正を確認し、黒レベルが強すぎてノイズが意図せず発生することがないようにします。
修正方法:
制作意図を確認してください。必要に応じて色補正の工程に戻し、色のレベルや彩度を調整します。
[049] Enhanced Video Noise
説明:
過剰なビデオノイズ (Enhanced Video Noise) は、作品と無関係な画面上の動き、または目に見えるグレイン状の映像の歪みや模様があることによって、映像がぼやけたり、極端に"ソフト"(不鮮明) になっている状態を指します。
影響:
過剰なビデオノイズは、対象素材のコンテンツ品質に影響を与えます。ビデオノイズが激しいと画質がかなり劣化するため、画面のアクションが見えにくくなる場合があります。
深刻度の構成:
参考情報 - ビデオノイズが多く発生していますが、制作意図に沿っていることが想定され、作品全体のルックとの整合も取れています。
問題 - ビデオノイズが過剰で視聴を大きく妨げており、画面上の要素を見えにくくしています。シーン特有のノイズパターンや、場所によってはノイズが部分的に停止する状態が見られます。これはノイズ除去フィルターによるエラーの可能性を示しています。
予防法:
ISO感度を下げる - Red Weapon/Dragonで推奨されるISOは800です。それよりISO感度を上げるとノイズが発生します。明るさに合わせて露出を変えるためにISOを使用する場合は、ショットの間でノイズの不一致が生じます。
特定の状況では、撮影時に追加の照明が必要となります。画像の4分の1の領域について、ノイズの一貫性や強さに関して目立つ部分がないか検証します。
修正方法:
照明やISO感度がより適切なショットに入れ替えられるか検討します。それが難しい場合は、ポストプロダクションでノイズ除去フィルターを適用できるかどうか確認してください。ポストプロダクションでノイズ除去を行う場合、通常はノイズのソリッドテクスチャのサンプルを取り、映像のノイズ構造全体に処理を行います。ノイズ除去を行うと映像が不鮮明になる、あるいは"固定された"グレインや映像の歪み/模様といった他のエラーを誘発し、映像品質により大きな影響を与えるおそれがあることを理解しておいてください。
[050] Placeholder Text
説明:
プレースホルダーテキスト (Placeholder Text) は、一時的なテキストが最終的な映像に焼き付けられている、またはオーバーレイで表示されている状態を指します。プレースホルダーテキストには、未完成のクリエイティブな内容ではないあらゆるテキストやウォーターマーク (素材のファイル名、VFXショット番号、焼き付けタイムコードなど) が含まれます。
影響:
プレースホルダーテキストは、対象素材の技術品質とコンテンツ品質に影響を与えます。画面
に意図されていない素材が表示されることで、プロット上重要な情報が隠れてしまう場合があ
り、これによりお客様の視聴体験が損なわれます。最終納品物に未完成のVFXや色が存在して
いる可能性も示しており、その場合は納品物を入れ替える必要があります。
深刻度の構成:
参考情報 - なし
問題 - 焼き付けのテキストオーバーレイがあり、制作者が意図した字幕や強制字幕であるとは
考えられません。これには、ショット番号やその他の識別用テキストが含まれ、対象シーンの
制作意図とは関係ないことが明らかです。
予防法:
挿入時に、すべてのショットにプレースホルダーオーバーレイがないか確認します。完成した
ショットと、一時的なプレースホルダーオーバーレイのあるショットを完全に分けて管理し、
未完成版のショットを誤って使わないようにします。
修正方法:
プレースホルダーテキストのない完成版のショットを必ず挿入してください。
[051] Framing Error
説明:
フレーミングエラー (Framing Error) は、意図した映像の解像度およびフレームのマット処理やスケーリングが不適切であることを指します。
影響:
フレーミングエラーは、対象素材の技術品質に影響を与えます。制作側が意図したフレーミングやアスペクト比が変わったり間違ったりすると、視聴体験が損なわれます。制作意図に沿った素材がトリミングされてしまい、ストーリーの重要ポイントが失われるおそれがあります。前後関係から、制作意図に沿った構図であると判断できる場合もあります。
深刻度の構成:
参考情報 - 前後関係から、アスペクト比のずれは制作意図と判断できます (例: ドキュメンタリーのアーカイブ映像がサイドパネルまたはウィンドウボックス方式で表示される場合)。
問題 - ショットの途中またはカットの直前直後で、画像のズームイン/アウトまたは左右へのずれが突然起こっています。フレームのサイズが変更されたことが明らかで、エイリアシングが発生したり画像がぼやけて見えたりしています。スケーリングやフレーミングおよび画像品質が類似の周辺ショットと一致しません。
予防法:
マット処理した箇所を確認します。可能な限り、意図された解像度よりも引き伸ばさないようにします。
シーン途中での唐突な変化を防ぐために、スケーリングやマット処理の変更がカット単位で適用されていることを確認します。
画質を損なうことなくリフレーミングできるように、最終納品フォーマットより高いネイティブ解像度で撮影および仕上げを行います。
修正方法:
対象ショットを修正するか、周辺ショットと映像ルックが一致するショットに入れ替えます。適切であれば、アーカイブ映像では可能な限り高い品質を維持してください。
シーンの途中でショットのスケーリングやフレーミングが急に変化する場合、その変化がカット単位で適用されるように調整する必要があります。
[052] Black Frame
説明:
黒フレーム (Black Frame) は、画像情報のないフレームを指します。
影響:
黒フレームは、対象素材のコンテンツ品質と技術品質に影響を与えます。ストーリーには関係なく、映像が黒フレームへ飛ぶため、視聴体験が損なわれます。
深刻度の構成:
参考情報 - 照明効果やシーンの切り替えのために黒フレームが挿入されており、明らかに制作意図に基づいています。
問題 - 映像が黒フレームに飛んでおり、それが制作意図によるものと判断する状況情報がありません (例: 映像自体の照明のちらつき、あるいはシーン切り替え時の黒画面への自然なつなぎやフェードアウトに関係しない場合)。
予防法:
書き出し前に最終的なタイムラインを注意深く見て、タイムライン上にレンダリングエラー、抜け落ちたフレーム、ギャップがないか確認します。スナッピングを使用し、タイムライン上に意図しないギャップが入らないようにします。最初と最後の黒画面の尺については、Netflixの仕様に従います。
修正方法:
黒フレームの原因として、レンダリングエラーにより、最終版の出力時にフレームが破損したり抜け落ちたりした可能性があります。また、タイムライン上で2つのショットの結合が適切に処理されず、間が空いている可能性もあります。
原因に応じて、破損したあるいは抜け落ちたフレームをレンダリングし直すか、編集を調整し
てタイムラインに存在するギャップを適切に埋めてください。
[053] Dropped Frame
説明:
コマ落ち (Dropped Frame) は、対象の映像素材から1つまたは連続したフレームが欠落、または破損していることを意味します。
影響:
コマ落ちは、対象素材の技術品質に影響を与えます。画面の動きがカクつくため、視聴体験が損なわれます。コマ落ちは、アーカイブ映像や一般向けカメラの映像に由来することがあるほか、アニメーションの演出、スタイルによって発生する場合があります。
深刻度の構成:
参考情報 - なし
問題 - 再生が途切れ途切れで、動きのカク付きが目立ちます。また、補間フレームが欠落しています。
予防法:
コマ落ちは、フレームレートを変換した映像、ストック映像、アーカイブ映像にもともと存在する可能性があります。
ストック/アーカイブ映像を確認して、質が一番良いものを使用します。フレームレートを変更する際は、プロ仕様のカメラ、ハードウェア、ソフトウェアを使用してフレームレートの変換を行ってください。
修正方法:
映像の途切れやカクつきを滑らかにするために、欠落したフレームを入れ替えるか、シーケンスをレンダリングし直してください。
不適切なフレームレート変換によってコマ落ちが生じた場合は、別の方法で映像を再変換する必要があるかもしれません。
[054] Frame Edge Shading
説明:
周辺減光 (Frame Edge Shading) は、レンズフードや撮影用フラッグの一部がフレームに映り込むことにより、フレームの端や四隅が暗くなる現象を指します。
影響:
周辺減光は、対象素材のコンテンツ品質に影響を与えます。映像コンテンツが見にくくなるため、視聴体験が損なわれます。また、制作工程が垣間見えてしまうために、視聴者がストーリーに入り込む妨げとなることがあります。この現象は「フィルムルック」を作り出すための制作意図による場合や、色補正の工程で明るさが平坦なシーンに深みを与えるために「ビネット効果」を加えたことによる場合もあります。
深刻度の構成:
参考情報 - なし
問題 - フレームの端が暗くなっている、あるいはフレームの四隅が黒っぽくなっているのが目
につきます。
予防法:
撮影時にフレームの端を確認し、レンズフードや撮影用フラッグがフレームの端に映り込まないように調整します。
暗くなる理由が自然なビネット効果の場合、ラジアル・グラデーション減光 (GND) フィルターを使用すると良いでしょう。
修正方法:
制作意図かどうかを検証および確認します。そのような意図がない場合、画像を拡大するかVFXを使用して目立たないようしてください。
[055] Freeze Frame
説明:
フリーズフレーム (Freeze Frame) は、シーケンス内の隣り合うフレームで同じフレームが続いて表示されている状態を指します。
影響:
フリーズフレームは、対象素材の技術品質とコンテンツ品質の両方に影響を与えます。画面のアクションの動きがカクついたりコマ落ちしたりすると、視聴体験が損なわれます。状態が深刻な場合は、フリーズフレームのセクションが長く続き、作品が視聴に適さない品質になることもあります。制作意図の場合もありますが、ストーリーに関係しないフリーズフレームはレンダリングやエンコードのエラーを示す可能性があります。
深刻度の構成:
参考情報 - 映像または音声から、フリーズフレームが制作意図に基づいて作品に挿入されていると判断できます。
問題 - フリーズフレームが単独または連続で表示され、画面のアクションのカクつきや中断が目立っています。
予防法:
フリーズフレームは、エンコードまたはフレームレートの変換によって発生することがよくあります。フレームレートを変更する際は、プロ仕様のハードウェアまたはソフトウェアを使用してフレームレートの変換を行ってください。
異なるフレームレートのシーケンスでは、ネイティブフレームレートではない素材クリップの使用を避けます。
修正方法:
フリーズフレームを適切なフレームに入れ替え、途切れず滑らかに再生されるようにします。不適切なフレームレート変換によってフリーズフレームが生じた場合は、別の方法で映像を再変換する必要があるかもしれません。
[056] Visible Frame Edge
説明:
フレームエッジエラー (Visible Frame Edge) は、有効な画像がフレームまたはマットの所定の端に到達していない状態を指します。
影響:
フレームエッジエラーは、対象素材のコンテンツ品質に影響を与えます。フレームエッジが映像コンテンツをわかりにくくするおそれがある場合や、制作側が意図したショットやシーンのフレーミングが変わってしまう場合は、視聴体験が損なわれます。制作意図によってフレームエッジを見せることもあり、ショットに"フィルムルック"を加えたり、アーカイブ映像でネイティブアスペクト比を保つ場合に使用されます。
深刻度の構成:
参考情報 - なし
問題 - 有効な画像がフレームまたはマットの端まで到達していません。
予防法:
ショットを移動または拡大・縮小する時に、フレームとマットの端を確認します。
修正方法:
制作意図があるか確認します。制作意図がない場合は、ショットのフレーミングと尺度を調整して、フレームエッジエラーをなくしてください。
[057] Visible Matte Edge
説明:
マットエッジエラー (Visible Matte Edge) は、(アニメーション化または合成した) オブジェクトレイヤーがフレームの端まで到達していない、あるいはショットへの合成が不十分なために、レイヤーの端にエッジや輪郭が表示されている状態を指します。
影響:
マットエッジエラーは、対象素材の技術品質に影響を与えます。画面のオブジェクトやレイヤー全体が切り離され、アニメーションやVFXから浮いて見えてしまうため、視聴体験が損なわれます。
深刻度の構成:
参考情報 - なし
問題 - キャラクター、オブジェクト、レイヤーに、フレームの端まで到達していないエッジがはっきり表示されています。また、フレーム内でキャラクターやオブジェクトの輪郭が目立つこともあります。
予防法:
合成したオブジェクトやレイヤーを見直し、フレームに継ぎ目なく組み込まれていることを確認します。また、再配置やサイズ変更をする際はエッジを確認します。キーフレームを確認し、すべての要素がフレームの端まで完全に到達し、適切な縮尺でフレーム内に表示されていることを確かめてください。
修正方法:
フレームのエッジまで完全に到達していないマットがあまり目立たない場合は、再配置やサイズ変更を行い、見えているマットエッジをトリミングして修正できる場合があります。マットエッジがアクションセーフ領域にかなり入っている場合、あるいはキャラクターやオブジェクトをふちどっている場合は、修正するためにアニメーションやVFXに戻す必要があるかもしれません。
[058] Non-Native Aspect Ratio
説明:
不自然なアスペクト比 (Non-Native Aspect Ratio) は、フレーム内の画像が縮小または拡大されている問題、またはコンテンツが所定の/意図したアスペクト比と一致していない問題のいずれかを指します。
影響:
不自然なアスペクト比は、対象素材の技術品質とコンテンツ品質の両方に影響を与えます。映像が制作意図に沿った形で表示されない場合、視聴体験が損なわれます。フレーム内の画像が縮小または拡大されている場合、もともとそのコンテンツの撮影や仕上げが行われた状態から不適切にサイズが変更された可能性があることを示しています。アスペクト比が所定の/意図した値と一致しない場合、ストーリーの視覚的な手がかりが失われている可能性があります。当初意図していたアスペクト比が2.40:1で、納品されたファイルのアスペクト比が1.78:1の場合、映像が拡大されており、画面左右の情報も失われている可能性があります。
深刻度の構成:
参考情報 - なし
問題 - 映像が明らかに縮小または拡大されているか、リクエストで指定されたアスペクト比に
なっていません。
予防法:
対象ファイルの作成に使用されるプロファイルで、ピクセルアスペクト比 (PAR) が正しく設定
されていることを確認します。
オリジナルまたはネイティブのアスペクト比のいずれかを確認し、正しいファイルが納品され
ていることを確かめます。
修正方法:
ネイティブのアスペクト比で再納品します。
[059] Warping
説明:
ワーピング (Warping) は、スタビライズ処理の副作用であることが多く、フレーム補間機能により画像の動きが不自然になる現象です。
影響:
ワーピングは、対象素材の技術品質とコンテンツ品質に影響を与えます。スタビライズ処理を不適切に適用すると視聴の邪魔になります。スタビライズ処理を適用しない時よりも画像の仕上がりが悪くなる場合もあります。
深刻度の構成:
参考情報 - なし
問題 - 画像にずれやボケ、歪みが生じています。
予防法:
適度な量のスタビライズ処理のみを適用します。ワーピングの問題が発生した場合は、画像全体の品質を維持するため、スタビライズの必要度が低いショットへの入れ替えを検討してください。
修正方法:
対象ショットへのスタビライズ処理の適用量を減らし、ワーピングの現象を最小限に抑えます。
[060] Extraneous Content
説明:
余計なコンテンツ (Extraneous Content) は、不必要なコンテンツが作品やファイルに余計に含まれていることを指します。DI工程で作品に挿入された最初と最後の映像や各種素材が最終納品ファイルに残っている場合も含まれ、これはNetflixの納品仕様に沿っていません。
影響:
余計なコンテンツは、対象素材のコンテンツ品質に影響を与えます。配信されるストリームデータに作品と関係のないコンテンツが誤って挿入されることで、視聴体験が損なわれます。
通常、シーンや作品の前後関係から、余計なコンテンツか制作意図に沿ったコンテンツか判断できます。
深刻度の構成:
参考情報 - 前後関係から、余計に見えるコンテンツが制作意図によるものと判断できます。
問題 - 最終版の制作物に含まれるべきではない、DI工程またはオンライン編集で作品の最初と最後や途中に挿入された映像素材がファイルに含まれています (例: 無音の黒画面、スレート、カラーバー、SMPTEリーダー、2回のポップ音、白素材、作品のアイキャッチ)。
予防法:
処理中でないビデオトラックはロックし、誤って別のトラックを処理しないようにします。タイムラインを確認し、不適切な素材や形式的に入れている素材が最終版に手違いで残っていないかチェックしてください。
修正方法:
必ず、余計なコンテンツを削除するか、最終版のコンテンツと入れ替えて、Netflixの納品仕様に従ってください。
[061] Commercial Blacks
説明:
CM用黒画面 (Commercial Blacks) は、作品中にCMや休憩時間のために挿入された4秒以上の無音の黒フレームがある状態を指します。
影響:
CM用黒画面は、対象素材の技術品質とコンテンツ品質の両方に影響を与えます。Netflixの納品仕様に従い、コンテンツにCM用黒画面を挿入しないでください。作品が過度に中断したり、制作者が意図したシーンの切り替えに関係なく中断したりすると、視聴体験が妨げられます。
深刻度の構成:
参考情報 - なし
ブロッカー - 作品に4秒以上の無音の黒画面が含まれています。
予防法:
コンテンツにCM用黒画面を挿入してNetflix以外で配信する場合は、CM用黒画面を削除したNetflix用の編集版を別途納品してください。
Netflix限定コンテンツには、決してCM用黒画面を入れないでください。
修正方法:
CM用黒画面をすべて削除します。すべての関係者が、最新の編集や再生時間の変更を反映して調整された最新のプロキシ、プリントマスター、M&E音声を受領していることを確認してください。
[062] Censorship
説明:
検閲 (Censorship) は、中傷的または違法となり得る配信内容を曖昧に表現したり削除するために映像や音声に施された編集を指します。
影響:
編集による検閲は、対象素材のコンテンツ品質に影響を与えます。明らかな編集はシームレスな視聴体験を妨げることがあります。制作者の意図が正しく伝わらなかったり、間違った意図が伝わってしまう場合もあります。
深刻度の構成:
参考情報 - なし
問題 - 検閲は法的に義務付けられているものではなく、ストーリーを語る上で明らかに邪魔になっています。
予防法:
検閲を施してNetflix以外でコンテンツを配信する場合は、検閲が施されていないNetflix用の編集版を別途納品してください。
Netflix限定コンテンツには、検閲を施さないでください。
修正方法:
法的に義務付けられておらず、コンテンツプロデューサーの本来の制作意図に準拠しない検閲の編集は除去してください。
[063] Burned In Subtitles
説明:
焼き付け字幕 (Burned In Subtitles) は、メインビデオ素材の映像にレンダリングされた字幕テキストのことを指します。
影響:
焼き付け字幕は、対象素材のコンテンツ品質に影響を与えます。Netflixでは、世界中のお客様にシームレスな視聴体験を提供するため、様々な言語向けにローカライズしています。映像に字幕がレンダリングされていると、Netflixがローカライズした字幕の邪魔になります。Netflixがローカライズした字幕が、焼き付け字幕の上にオーバーレイ表示されると、オリジナルの字幕とNetflixがローカライズした字幕の両方が読めなくなる場合もあります。
深刻度の構成:
参考情報 - なし
問題 - メインビデオ素材の映像に字幕が焼き付けられています。
予防法:
Netflixに納品するコンテンツには焼き付け字幕を入れないでください。
コンテンツを見直し、画面上にメインタイトル、エンドクレジット、場所やグラフィックに関する説明以外のテキストがないことを確認します。
修正方法:
映像からすべての焼き付け字幕を削除して、再納品します。
[064] Missing Format Black
説明:
黒画面の欠落 (Missing Format Black) は、メインビデオ素材で作品コンテンツの最初と最後に必要な1秒間の無音の黒画面が欠けていることを指します。
影響:
黒画面の欠落は、対象素材の技術品質とコンテンツ品質に影響を与えます。この状態はNetflixの納品仕様に合致しません。配信されるストリームの中にはバッファリングに時間がかかるものがあるため、ファイルの最初と最後に黒画面がないことで、コンテンツの一部を視聴できない場合もあります。アイデント (ロゴ映像) が不要なワークフローでは、Netflix社内のパイプラインの中でNetflixのアイデントを継ぎ目なくスティッチングするために追加の黒画面が必要です。
深刻度の構成:
参考情報 - なし
問題 - 作品コンテンツの最初と最後に必要な1秒間の無音の黒画面がファイルに含まれていません。または、無音の黒画面の長さが仕様上の1秒より短くなっています。
予防法:
Netflixの納品仕様を再確認し、確実に順守してください。
修正方法:
ファイルの最初と最後に1秒間の無音の黒画面を入れて再納品します。
[065] Truncation
説明:
コンテンツの欠落 (Truncation) は、素材の最初または最後の部分から一部が削除された不完全な素材を指します。作品の終了前に突然カットアウトが入ったり、作品の実際の開始点の後にカットインが入ったりします。エクスポートやエンコードエラーに起因する場合がほとんどです。
影響:
コンテンツの欠落は、対象素材のコンテンツ品質に影響を与えます。切り捨ての度合い (作品で欠落しているコンテンツの量) によって、視聴体験が低下したり、深刻な場合は作品が視聴に適さない品質になることがあります。ストーリーの重要ポイントが失われる可能性があるほか、必要なメインタイトル、エンドクレジット、プロダクションロゴが切り捨てられたり欠落したりした場合、契約上の問題が発生することもあります。
深刻度の構成:
参考情報 - なし
問題 (場合によってはブロッカー) - 作品の一部が欠落している、または突然カットアウトが入っています。欠落しているコンテンツ量が多い場合は、ブロッカーとして対応する必要があります。
予防法:
エクスポート前にタイムライン上のインポイントとアウトポイントを確認し、タイムラインの全尺が確実に含まれるようにします。
素材の最初と最後を確認し、タイトル、クレジット、ロゴが完全な形で表示されていることを確かめます。
タイムライン上で編集や削除を選択する際は特に慎重に行ってください。
修正方法:
必要に応じて欠落しているコンテンツを入れ替え、エクスポートの前後に作品のコンテンツがすべて揃っていることを確認してから、再納品します。
[066] Missing Logo
説明:
ロゴの欠落 (Missing Logo) は、所定のプロダクションロゴやスタジオロゴが欠けていることを指します。
影響:
ロゴの欠落は、対象素材のコンテンツ品質に影響を与えます。契約義務によってロゴの外観と順序が指定されています。
深刻度の構成:
参考情報 - なし
問題 - プロダクションロゴの一つまたはすべてが欠落しています。
予防法:
エクスポート前にタイムライン上のインポイントとアウトポイントを確認し、タイムラインの全尺が確実に含まれるようにします。
素材の最初と最後を確認し、ロゴが完全な形で表示されていることを確かめます。
タイムライン上で編集や削除を選択する際は特に慎重に行ってください。
修正方法:
所定のロゴを含めて再納品します。
[067] Aliasing
説明:
エイリアシング (Aliasing) は、画像の処理や、低品質の圧縮または変換時に画像のサンプリングが不十分であることによって生じる映像の乱れです。オブジェクト、テキストや画像の端がギザギザまたはぼやけて見えます。画像の一部にモアレ (網目状) 模様が入ることもあります。
影響:
エイリアシングは、対象素材の技術品質とコンテンツ品質に影響を与えます。映像やテキスト、画像の品質が低いと、視聴体験が損なわれます。多くの場合、エイリアシングはファイル書き出し時の不十分な圧縮や変換不良に関係しています。この素材から派生した納品物では、エイリアシングがさらに悪化する可能性があります。
深刻度の構成:
参考情報 - アーカイブ映像またはストック映像でエイリアシングが生じています。
問題 - 高解像度であるべき映像でエイリアシングが発生しており、類似ショットまたは周りのショットと一致していません。
予防法:
可能な場合は常に高品質および高解像度でレンダリングします。ソース映像を不必要に圧縮しないでください。
修正方法:
可能な場合は、サンプリングレートを上げてレンダリングし直します。
アンチエイリアシングフィルタを適用します。これにより画像がぼやけることがあり、元々のエイリアシングの問題より状態が悪化することがあるため、注意して行ってください。
[068] Banding/ Posterization
説明:
バンディング/ポスタリゼーション (Banding/ Posterization) は、色ビット深度が低いことが原因で、色の階調が滑らかに連続するグラデーションにならず、階調の境目に段差が発生している状態を指します。
影響:
バンディング/ポスタリゼーションは、対象素材のコンテンツ品質と技術品質に影響を与えます。画像品質が低下することで、視聴体験が損なわれます。この素材から派生した納品物では、バンディングがさらに悪化する可能性があります。フェードやディゾルブといったトランジション中に発生するバンディングは、モニターの通常再生時のリフレッシュレートが原因で発生する場合があります。滑らかでないグラデーションがある場合は、必ず停止または一時停止して確認してください。
深刻度の構成:
参考情報 - バンディングが、フェードやディゾルブといったトランジション中にわずかに発生しています。
問題 - バンディング/ポスタリゼーションが、映像の一部または全体でかなり目立っています。
再生中に縞模様の位置がずれたり揺れたりします。
予防法:
10ビット以上でレンダリングしてください。8ビットのVFX素材では、バンディング/ポスタリゼーションが多く発生する傾向があります。
修正方法:
10ビット以上でレンダリングし直してから、再納品します。
[069] Compression Artifacting
説明:
圧縮ノイズ (Compression Artifacting) は、画質を落としたことにより生じるノイズで、映像の複雑さに対して必要なビットレートやビット深度が足りない場合に発生します。
影響:
圧縮ノイズは、対象素材の技術品質に影響を与えます。低品質の画像により、視聴体験が損なわれます。納品までの過程でさらに圧縮されると、メザニンにすでに存在する映像の乱れがさらに悪化します。
深刻度の構成:
参考情報 - なし
問題 - 画像の一部または全体にわたって、デジタル信号の動きが増したりブロックノイズが多く発生したりしています。
予防法:
できるだけ高品質の素材クリップを使用します。
マスター素材の書き出し設定を確認し、必ず適切な圧縮レベルを適用してください。
修正方法:
適切な圧縮レベルで再び書き出すか、圧縮が少なくて済む高画質の映像と入れ替えます。
[070] Combing/ Ghosting
説明:
コーミング/ゴースティング (Combing/ Ghosting) は、ビデオの規格やフレームレートの変換が原因で生じることの多い、映像の乱れのことです。不適切に変換されると、インターレースされたフレームが完全に処理されません。
影響:
コーミング/ゴースティングは、対象素材の技術品質に影響を与えます。低品質なフレームレート変換により映像の乱れが発生すると、制作者が意図する画像が見にくくなったり、視聴者の注意がそれたりするおそれがあり、視聴体験が損なわれます。この現象は、通常再生時も、一時停止時やフレーム単位でも見られ、画面に動きがあると目立ちます。コーミング/ゴースィングはこの素材から派生する素材に引き継がれ、後の工程ではさらに現象が悪化する場合があります。
深刻度の構成:
参考情報 - コーミング/ゴースティングがアーカイブ映像やストック映像に発生しています。
問題 - 通常再生時に、映像全体にインターレースの縞模様が見られ、映像のカクつきが目につきます。一時停止時あるいはフレーム単位で、二重像が発生しています (フレームブレンドや動きボケと呼ばれることもあります)。カットをまたいで画像が残っています (残像と呼ばれることもあります)。
予防法:
異なるフレームレートのシーケンスでは、ネイティブフレームレートではない素材クリップの使用を避けます。編集ソフトウェアによるフレームレート変換処理は品質が低く、残像やボケが生じる可能性があります。
ドキュメンタリーのアーカイブ映像、または複数のカメラを用いた映像のように、規格やフレームレートの変換が必要となる場合は、必ずプロ仕様の専用ハードウェアやソフトウェアを使って変換し、コーミング/ゴースティングといった映像の乱れを最小限に抑えてください。
修正方法:
アーカイブ映像が最適な素材かどうかを確認します。可能であれば、規格の変換を必要としない別の映像に入れ替えてください。プロ仕様の専用ハードウェアやソフトウェアを使って、再変換してください。
[071] Low Quality Footage
説明:
低画質な映像 (Low Quality Footage) は、メイン素材の映像よりも画質が低いことが明らかな映像を指します。
影響:
低画質な映像は、対象素材のコンテンツ品質に影響を与えます。組み込まれた映像の画質が悪い、または作品全体の画質と一致しない場合、視聴体験が損なわれます。画質が低いと映像がぼやけたり、ビデオノイズが過剰に発生したりすることがあり、深刻な場合は作品が視聴に適さない品質になることもあります。低品質の映像が圧縮されると、後の工程でこの素材から派生する素材の画質の劣化がいっそう進みます。
深刻度の構成:
参考情報 - 対象の映像は、制作意図により作品に組み込まれたアーカイブまたはストック映像です。
問題 - 画質の悪さが目立ち、作品全体の画質と一致していません。
予防法:
可能であれば、低画質のアーカイブやストック映像の使用を避けます。
修正方法:
周辺ショットの解像度や画質と合わせるために、高画質の映像に入れ替えることを検討してください。
[072] Picture Jitter
説明:
映像の揺れ (Picture Jitter) は、意図しないカメラの動きや不自然なカメラの動き、あるいは編集時の画像の移動によって生じる映像の揺れを意味します。アーカイブのフィルム映像では、フィルムの穴がフィルムスキャナーのスプロケットやピンに正しくはまっていないことが原因で発生することがあります。
影響:
映像の揺れは、対象素材の技術品質とコンテンツ品質に影響を与えます。激しい揺れが生じると、スムーズな視聴体験が妨げられ、作品の技術面に注意が向けられるおそれがあります。深刻な場合、揺れによって作品が視聴に適さない品質になることもあります。
深刻度の構成:
参考情報 - 前後関係から、作品に手持ちカメラやフィルム風の効果を与えるために、映像の揺れが意図的に使われていると判断できます。
問題 - 明らかに編集時の画像移動が原因で、シーンの途中に映像の揺れが発生しています。視聴の妨げとなっており、周りや類似のショットの見た目と一致していません。
予防法:
なし
修正方法:
スタビライズ処理により揺れを最小限に抑えます。スタビライズ処理を適用する場合は、マットエッジのエラーなどの画像の乱れが新たに発生しないようにしてください。
[073] Pixelation/ Quantization
説明:
ピクセレーション/量子化ノイズ (Pixelation/ Quantization) は、画像内に個々の色のブロックが見える状態を指します。多くの場合、低解像度での拡大・縮小や低いビット深度でのレンダリングにより生じます。
影響:
ピクセレーション/量子化ノイズは、対象素材の技術品質とコンテンツ品質に影響を与えます。圧縮または極端に拡大・縮小されたことが明らかな低品質の画像により、視聴体験が損なわれます。ピクセレーションによって画質が大きく劣化すると、コンテンツが視聴に堪えない品質になることもあります。
深刻度の構成:
参考情報 - なし
問題 - 類似ショットや周りのショットと比べて、画質が著しく低くなっています。画像は大きく引き伸ばされ、画像のシャープネスが損なわれています。
予防法:
可能であれば、低画質のストック映像やアーカイブ映像の使用を避けます。使用する映像のネイティブ解像度が、他のコンテンツと同じであることを確認します。
品質を損なうことなく拡大・縮小する余裕をもたせるため、最終納品フォーマットより高い解像度で撮影します。
10ビット以上でレンダリングしてください。8ビットのVFXでは、ピクセレーションが増大する傾向があります。
修正方法:
ショットまたはシーンを、ネイティブ解像度またはビット深度が高い同じコンテンツに入れ替えます。
[074] Blown-out/ Clipped Whites
説明:
白飛び (Blown-out/ Clipped Whites) は、画像の高輝度部分がビデオで再現可能な最大値を超えている状態を指します。これにより、最大輝度が真っ白に近い部分のディテールが全体的に失われます。
影響:
白飛びは、対象素材のコンテンツ品質に影響を与えます。ディテールが失われることで、制作側が意図した映像やストーリーポイントを見逃す可能性があるため、視聴体験が損なわれます。
深刻度の構成:
参考情報 - なし
問題 - 輝度レベルが上限でカットされているため、画像のかなりの部分でディテールが制限されています。
予防法:
適切な露出になるようカメラの絞り値の設定に注意してください。
ベースの黒レベルと最大輝度レベルが、許容されるしきい値を超えないようにしてください。
カラーグレーディング中にレベルを調整し、画像全体のディテールができるだけ残るようにしてください。
修正方法:
制作意図があるか、または最善策かどうかを確認します。どちらにも該当しない場合は、仕様の適合性またはフルレンジ/リーガルレンジ変換に問題がある可能性を検討し対処してください。
[075] Crushed Blacks
説明:
黒つぶれ (Crushed Blacks) は、黒レベルが暗すぎる場合に、画像の影や暗い部分のディテールが全体的に失われる状態を指します。
影響:
黒つぶれは、対象素材のコンテンツ品質に影響を与えます。ディテールが失われることで、制作側が意図した映像やストーリーポイントを見逃す可能性があるため、視聴体験が損なわれます。
深刻度の構成:
参考情報 - なし
問題 - 黒レベルがつぶれているため、画像のかなりの部分でディテールが制限されています。
予防法:
適切な露出になるようカメラの絞り値の設定に注意してください。
ベースの黒レベルと最大輝度レベルが、許容されるしきい値を超えないようにしてください。
カラーグレーディング中にレベルを調整し、画像全体のディテールができるだけ残るようにしてください。
修正方法:
制作意図があるか、または最善策かどうかを確認します。どちらにも該当しない場合は、仕様の適合性またはフルレンジ/リーガルレンジ変換に問題がある可能性を検討し対処してください。
[076] Luminance Shift/ Flicker
説明:
輝度の変化/フリッカー (Luminance Shift/ Flicker) は、ショットやシーン内で明るさのレベルが変化することを指します。
影響:
輝度の変化/フリッカーは、対象素材の技術品質とコンテンツ品質に影響を与えます。画面のアクションに関係する演出上の要素から視聴者の注意をそらし、深刻な場合はあらすじに関する要素をわかりにくくするおそれがあります。
深刻度の構成:
参考情報 - 輝度の変化の原因が、画面上の要素にあると考えるのが妥当です。あるいは、状況情報から確認できます (例: ナイトクラブのストロボの照明、キャラクターが何らかの明るい光源から立ち退く場合)。
問題 - 輝度の変化を制作意図と認めることが妥当ではなく、画面上のアクションから視聴者の注意をそらしてしまう可能性があります。
予防法:
ショット全体で輝度が一貫していることを確認します。輝度の変化を適用する際は、できるだけ類似ショット全体に、カット単位で一律に行い、素材の途中での急な変化を最小限に抑えます。
修正方法:
制作意図があるか、または最善策かどうかを確認します。どちらにも該当しない場合は、対象ショットを再グレーディングし、一定の明るさを保ち、ショット内での不必要な変化を最小限にしてください。
[077] Luminance Peaks
説明:
輝度のピークエラー (Luminance Peaks) は、測定された輝度レベルが許容値を超えているか、シーンの内容に基づく想定のピーク値より低く抑えられている状態を指します。
影響:
輝度のピークエラーは、対象素材の技術品質とコンテンツ品質に影響を与えます。画像がきわめて明るい、または暗いために画像のディテールが失われると、視聴体験が損なわれます。ピーク輝度が高い、あるいは低い場合、フルレンジ/リーガルレンジ変換の問題を示すこともあります。
深刻度の構成:
参考情報 - なし
問題 - ピーク輝度が許容値を超えています。あるいはシーンの内容を考慮するとピーク輝度が低いように見えます。
予防法:
波形スコープを使用して輝度レベルを監視します。
HDRコンテンツでは、不整合が起こる可能性を考えてMaxCLLおよびMaxFALLの適切な設定を検討してください。
修正方法:
輝度のピークが低い場合は、制作意図かどうか確認します。制作意図でない場合は、輝度を調整して希望のレベルにピークを設定します。
SDRコンテンツで輝度のピークが高い、あるいは輝度レベルが許容値を超えている場合は、輝度を許容値 (700mV) 内に調整します。多くの場合、これはフルレンジ/リーガルレンジ変換の問題です。
HDRコンテンツで輝度のピークが高い場合は、制作意図かどうか確認します。制作意図でない場合は、輝度を調整して希望のレベルにピークを設定します。
[078] Elevated Black Levels
説明:
黒レベルの浮き (Elevated Black Levels) は、映像のセットアップレベル (黒レベル) の設定が上がる現象を指します。
影響:
黒レベルの浮きは、対象素材の技術品質とコンテンツ品質に影響を与えます。色が不自然または間違っているように見えるため、視聴体験が損なわれます。また、黒レベルが大きく上がる場合は、フルレンジ/リーガルレンジ変換の問題を示す可能性があります。
深刻度の構成:
参考情報 - 黒レベルが基準値を若干上回っていますが、色の統一性や制限に関するモニターの設定により、視覚的な現象は見られません。
問題 - 黒レベルが基準値を大きく上回っているために、画面上で黒が灰色っぽく見えたり、色あせて見えたりします。
予防法:
波形スコープを使用してレベルを監視します。
修正方法:
黒レベルの浮きが制作意図に基づくものかどうかを確認します。そのような意図がない場合は、レベルを調整します。
[079] Sub-Black Levels
説明:
黒レベルの低下 (Sub-Black Levels) は、映像のセットアップレベル (黒レベル) の設定が基準値を下回る現象を指します。
影響:
黒レベルの低下は、対象素材の技術品質とコンテンツ品質に影響を与えます。色が不自然または間違っているように見えるため、視聴体験が損なわれます。黒レベルの低下は、フルレンジ/リーガルレンジ変換の問題を示すこともあります。
深刻度の構成:
参考情報 - なし
問題 - 黒レベルが、基準値の700mV (SDR) または0ニト (HDR) を下回っています。
予防法:
波形スコープを使用してレベルを監視します。
修正方法:
黒レベルの低下がある場合は、フルレンジ/リーガルレンジ変換の問題である可能性が高いため、少なくとも基準値まで調整する必要があります。
[080] Shift in Black Levels
説明:
黒レベルのシフト (Shift in Black Levels) は、類似のシーンやショット間、または素材の途中で最小輝度値が変化することを指します。
影響:
黒レベルのシフトは、対象素材の技術品質とコンテンツ品質に影響を与えます。対象ショットまたはシーンの全体的なルックが、作品の意図されたルックと一致しなくなります。また、ショット内で最小輝度値が変わると、シームレスな視聴体験が妨げられるおそれがあります。
深刻度の構成:
参考情報 - 黒レベルのシフトの影響が小さく、フェードやディゾルブなどのトランジション効果において見られ、シーンの文脈の中では自然に見えます。
問題 - 素材の途中で輝度値が急に変化しています。あるいは、黒レベルが、類似するショットやシーンの全体的なルックと一致していません。
予防法:
複数のショットでグレーディングに齟齬がないことを確認します。LUTを使用している場合は、作品全体に一律に適用されていることを確認します。個々の素材が適切に最終コンフォームにレンダリングされていることを確認します。
修正方法:
黒レベルを調整して目立つ変化をなくします。または、類似のショットやシーンで黒レベルが同じになるようにします。
[081] PSE Test Fail
説明:
PSEテスト不合格 (PSE Test Fail) は、光過敏性発作 (PSE) を持つ人にてんかん発作を誘発するリスクが、素材にあるかどうかを測定する特別なテストの判定結果です。PSEテストは、ビデオコンテンツの輝度や色、パターンの急速な変化をスキャンします。
影響:
PSEテスト不合格は、対象素材の技術品質に影響を与えます。PSEテストで不合格になったコンテンツは、視聴時に発作を誘発する可能性があるため、光過敏性発作を持つ人にとって深刻なリスクとなります。この発作は、光過敏性発作が起こりやすいことに無自覚な視聴者に発生する場合もあります。
深刻度の構成:
参考情報 - なし
問題 - PSEテストが実装されたソフトウェアやファームウェアによって、このコンテンツはPSEを持つ人にてんかん発作を誘発する可能性があると判定されています。
予防法:
編集の際は、有効な画像の25%以上にあたる部分で、輝度や色の変化が1秒間に3回を超えるシーケンスを使用しないようにしてください。また、はっきりしたパターン (ストライプ、水玉、格子など)、特に点滅、左右の振動、方向転換、反転といったパターンの使用は避けてください。ITU-R BT. 1702の規格に沿って編集およびテストし、PSEを抑えるための指針を遵守してください。
修正方法:
シーケンスや作品を再編集して、PSEテストで不合格になった箇所を削除または調整する必要があります。
[082] Camera Bump
説明:
カメラの揺れ (Camera Bump) は、カメラオペレーターのミス、または三脚やリグが動いてしまったことによって、画像が意図せず揺れる現象を指します。
影響:
カメラの揺れは、対象素材のコンテンツ品質に影響を与えます。お客様の視聴体験を妨げ、撮影過程に不必要に注意が向いてしまう可能性があります。
深刻度の構成:
参考情報 - カメラの揺れがわずかで、パンニングやティルトなどのカメラワークに伴って生じていると考えられます。
問題 - カメラワークや三脚を使用した撮影の途中で、大きな揺れが見られます。
予防法:
なし
修正方法:
映像のスタビライズ処理により、意図しないカメラの揺れを改善する、あるいは最小限に抑えることができますが、全体の画質を損なわずに修正できる場合に限ります。スタビライズ処理を適用すると画像にボケや歪みが生じてしまう場合は、カメラの揺れの問題をそのままにしておくことが推奨されます。
[083] Continuity Error
説明:
コンティニュイティーエラー (Continuity Error) は、類似のショットやシーンの間で画面のキャラクターやオブジェクトの外観、あるいは音声処理の連続性が保たれていないことを指します。
影響:
コンティニュイティーエラーは、対象素材のコンテンツ品質に影響を与えます。連続性が保たれていないことが明らかな場合、ストーリーの自然な流れが妨げられます。重大なコンティニュイティーエラーがあると、制作側が意図したストーリーのポイントが分かりにくくなることがあります。
深刻度の構成:
参考情報 - キャラクターやオブジェクトの位置などにわずかな差がありますが、ショットやシーンの切り替えとともに時間が経過して変化したと判断できます。
問題 - キャラクターやオブジェクトに大きな変化が見られ、ストーリーの中でつなぎ目や不一致が目立っています。
予防法:
撮影時のコンティニュイティーエラーを防ぐために、撮影現場でスクリプターのメモを参照します。グラスに入った飲料やタバコ等の問題になりやすい小道具には特に注意を払います。
編集中は、前後のショットやシーンを頻繁にチェックして、できるだけ違和感なくつながるよう留意します。
修正方法:
別のショットに入れ替えるか、ショットの位置を変えてフレームアウトします。可能であればVFXを使って修正します。
[084] Dirt/ Stain/ Scratch
説明:
ほこり、しみ、傷 (Dirt/ Stain/ Scratch) は、フィルム撮影した作品に見られるさまざまな異物のことで、フィルムプリント (ポジ/黒) またはネガフィルム (ネガ/白) に存在する残留物やくぼみによって発生します。フィルムの感光層にくぼみがあると、白黒ではなく、色のついた傷が現れることがあります。
影響:
ほこり、しみ、傷は、対象素材の技術品質とコンテンツ品質に影響を与えます。アーカイブやストック映像を使用している場合、あるいはヴィンテージ映画風のルックを意図的に演出する場合を除き、フィルムに付着した異物は視聴の邪魔になります。また、このようなエラーが見られる場合、Netflixのコンテンツ品質基準を満たしません。
深刻度の構成:
参考情報 - ほこり、しみ、傷が、アーカイブやストックのフィルム映像に存在しています。または、ポストプロダクションでアーカイブのフィルム映像を再現する制作意図によって追加されています。
問題 - ほこり、しみ、傷が存在し、コンテンツの種類や前後関係から、制作意図によるもので
はないと考えられます。
予防法:
フィルムには直接手で触れないようにします。
可能であれば、撮影後のフィルムは密閉容器で保管します。
修正方法:
DRS (ダスト除去) を実施し、フィルムに付着した異物を除去します。
[085] Lens Flare
説明:
レンズフレア (Lens Flare) はカメラレンズを通る光の屈折により発生する現象で、フレームの中に閃光やまぶしい光が写り込みます。
影響:
レンズフレアは、対象素材のコンテンツ品質に影響を与えます。レンズフレアによって画面のアクションから注意がそれるため、視聴体験が妨げられます。レンズフレアが激しい場合、ショットの中で制作者が意図した映像表現が見えにくくなるおそれがあります。制作担当者が希望のルックを実現するために、あえてレンズフレアを発生させる場合もあります。
深刻度の構成:
参考情報 - レンズフレアがわずかに見られますが、シーン内のキャラクターや重要なオブジェクトには当たっていません。
問題 - 大きなフレアや邪魔なフレアによって、画面のアクションが見にくくなっています。
予防法:
カメラレンズに明るい光源があたるのを避けます。
適切なレンズフードや撮影用フラッグを使用して、明るい光源からレンズを保護します。
修正方法:
レンズフレアが制作意図かどうか確認します。該当しない場合は、映像を調整してフレアをできるだけ減らしてください。この際、対象フレームでのレンズフレアの箇所や程度により、対象ショットの位置を変更するか、可能であればVFXを使って修正する必要が生じることがあります。
[086] Lens Smudge
説明:
レンズの汚れ (Lens Smudge) は、カメラレンズの表面に汚れ、油分、ごみなどがある状態で撮影したために、画像内に目に見えるアーティファクトが生じていることを指します。
影響:
レンズの汚れは、対象素材のコンテンツ品質に影響を与えます。レンズの汚れによって画面のアクションから注意がそれるため、視聴体験が妨げられます。深刻な場合、シーンの中で制作側が意図した視覚的な要素が見にくくなることもあります。
深刻度の構成:
参考情報 - 汚れは軽微なため、あまり視聴の妨げにはなっていません。
問題 - 汚れがかなり目立っており、画面上のコンテンツを見えにくくしています。
予防法:
レンズカバーは常に交換し、レンズを使用しない時は保護ケースにしまってください。レンズ
の手入れを欠かさず、使用の前後やショットの間にクリーニングします。
レンズの汚れがひどい場合は、クリーニングしてから、影響を受けた映像を撮り直します。
修正方法:
可能であれば、DRSやVFXを使用して修正します。
[087] Dolby Vision Metadata Error
説明:
ドルビービジョンのメタデータエラー (Dolby Vision Metadata Error) は、HDR IMFの納品物に含まれているドルビービジョンのメタデータに関するあらゆる種類のエラーを指します。HDR IMFから派生したSDR (標準ダイナミックレンジ) バージョンのみに存在する色の問題は、ドルビービジョンメタデータの.xmlの問題に直接関係します。
影響:
ドルビービジョンのメタデータエラーは、対象素材の技術品質とコンテンツ品質に影響を与えます。Netflixでは、HDRコンテンツのすべてのSDRストリームをこのメタデータから直接派生させるため、このメタデータに問題があると、SDRバージョンを視聴するお客様の視聴体験が損なわれます。
深刻度の構成:
参考情報 - なし
問題 - 画像やキャンバスのアスペクト比が、納品されたビデオトラックの有効な画像のアスペクト比およびフレーム全体の解像度と一致しないため、画像全体またはマット内で色のマッピングが適切に適用されていません。
ドルビービジョンのメタデータで、いずれかのショットのImage Characterのデフォルト値 (レベル1) が欠落しています。すべてのショットを分析する必要があります。
ドルビービジョンのメタデータで、完全な黒フレームではないショットのImage Character値(レベル1) が「0,0,0」になっています。
ドルビービジョンのメタデータの撮影時間が、作品の実際のカットまたはImage Character (レベル1) と一致しない、あるいはトリム値 (レベル2またはレベル8) がショットの途中で変わるため、SDRバージョンのみで表示カラーのタイミングエラーが発生しています。
Image Character (レベル1) またはトリム値 (レベル2またはレベル8) が作品全体または複数のシーン間ですべて同じで、これが同じ環境/設定に存在していません。
予防法:
カラーグレーディング中は、HDRの色調が確定した後にドルビー分析を実行します。追加のトリムパス情報があれば、必ず確認して保存します。最後にエクスポートする前に、ドルビーのメタデータから派生したSDR出力を確認します。
修正方法:
ドルビーのメタデータエラーを修正し、IMFを再度書き出します。
[088] Color Mistiming
説明:
色調整エラー (Color Mistiming) はカラーグレーディングのエラーで、ショット途中の色ずれ、または類似のショット間での色の差異として現れます。必要な色補正処理が実施されていないように見えるショットも、このエラーに該当します。
影響:
色調整エラーは、対象素材の技術品質とコンテンツ品質に影響を与えます。ショット途中で色が突然ずれたり、シーンや作品全体になじまない色や一貫性のない色が突然表示されたりするため、視聴体験が損なわれます。
深刻度の構成:
参考情報 - なし
問題 - ショットの途中やカットの前後で、色ずれが突然発生します。ショット全体の色が、類似のショットやシーンの他のショットと一致していません。色が不自然、または対象シーンや作品の全体のルックと色が一致していないように見えます。
予防法:
カラーグレーディング中に、複数のショットでグレーディングに齟齬がないことを確認しま
す。LUTを適用する場合は、必要なすべてのショットに適用されていることを確認します。す
べての色の決定が、最終コンフォームに正しく反映されていることを確認します。
修正方法:
グレーディングの齟齬を修正し、対象のショットをレンダリングし直します。
[089] Incorrect File Metadata
説明:
間違ったファイルメタデータ (Incorrect File Metadata) は、素材と共に提供されたデータが不正確または破損していることを意味します。
影響:
素材に関連するメタデータが間違っていると、納品、エンコードまたは表示上の問題を招く可能性があります。
深刻度の構成:
参考情報 - なし
問題 - 素材に関連するファイルメタデータに、素材の実際のフォーマットと一致しない不正確な情報が含まれています。
予防法:
メタデータに正確な情報が追加されるように、エクスポート前に素材に関連するタグを適切に設定していることを確認してください。
修正方法:
不正確なファイルメタデータのタグを修正し、再納品します。
[090] Incorrect Timecode
説明:
間違ったタイムコード (Incorrect Timecode) は、タイムコードトラックまたはフレームレートが破損している、あるいはフォーマットが間違っていることを意味します。
影響:
間違ったタイムコードは、対象素材の技術品質に影響を与えます。間違ったタイムコードトラックが納品されると、視聴体験に影響はありませんが、Netflixの内部システムとの連携に問題が生じるおそれがあります。このエラーは、タイムコードトラックの開始位置がNetflixの仕様と一致していないことを示すことがあります。この素材から派生した納品物には、間違ったタイムコードが含まれる場合があります。
深刻度の構成:
参考情報 - なし
問題 - サブアセットのタイムコードがメインアセットと一致していないか、破損しています。
IMFにタイムコード情報が埋め込まれた状態で納品されています。IMFはタイムコードに依存しない形式のため、タイムコードを埋め込まないでください。
予防法:
なし
修正方法:
正しいフォーマットのタイムコードトラックが含まれる素材を再納品します。
IMFにタイムコードが埋め込まれている場合は、タイムコードを削除してから再納品します。
[091] Video Hit
説明:
ビデオヒット (Video Hit) は、ビデオファイルの破損により、ピクセルが移動したり、ビジュアルアーティファクトが生じたりすることを意味します。
影響:
ビデオヒットは、対象素材の技術品質とコンテンツ品質の両方に影響を与えます。通常はレンダリングエラーまたはエンコードエラーを表します。また、ビデオヒットによってシーンのメインアクションが見づらくなると、視聴体験が損なわれます。ビデオヒットがある場合、このソースから派生したすべての納品物にもビデオヒットが含まれます。
深刻度の構成:
参考情報 - アーカイブ映像、発掘映像、一般人によるビデオ映像を再現するためのビデオで、制作意図によりデジタル上の問題が再現されています。
問題 - デジタルのブロックや線のエラー、欠落、映像の途切れが画面上で発生しています。
予防法:
なし
修正方法:
ビデオヒットがレンダリングに起因する問題か、エンコードの問題かを判断します。レンダリングに起因する場合はDIに戻し、対象フレームをレンダリングし直してから、最終納品物を再度書き出します。
エンコードに関連する場合は、最終納品物を再度書き出します。
[092] Video Artifact
説明:
ビデオアーティファクト (Video Artifact) は、意図して制作されたものではない映像のノイズを指します。このエラーコードは、ほかの特定のエラーコードに該当しないエラーを説明するために使われる場合もあります。
影響:
ビデオアーティファクトは、対象素材の技術品質とコンテンツ品質に影響を与えます。作品と無関係の視覚的な要素は、ショットやシーンの本来の意図を伝えるうえで邪魔になる可能性があります。また、ビデオアーティファクトによって、プロダクションプロセスやポストプロダクションプロセスの技術的な側面が不要に注目されるおそれがあります。
深刻度の構成:
参考情報 - なし
問題 - 意図的には見えないアーティファクトが画面上にあります。
予防法:
なし
修正方法:
意図しないビデオアーティファクトは削除する必要があります。コンテンツパートナーは、アーティファクトの原因を特定し、削除するために必要な修正を行います。
[093] Pixel Error
説明:
ピクセルエラー (Pixel Error) は、1つのフレームにある1個以上のピクセルが、周りのピクセルと異なり、収録した画像を正しく表示しない状態を示します。“デッドピクセル”とも言います。
影響:
ピクセルエラーは、対象素材の技術品質とコンテンツ品質に影響を与えます。ピクセルエラーは、多くの場合、収録に使用したカメラのセンサーの欠陥が原因です。ピクセルエラーは視聴体験を妨げ、特に薄暗いシーンやキャラクターの顔に現れる場合は目立ちます。
深刻度の構成:
参考情報 - 明るいシーンなので、ピクセルエラーはかすかにしか見えません。またはシーンの周辺の要素とほぼ同じ色です (エラーがシーンの中心となるキャラクターやオブジェクトの上に表示されていない場合に限ります)。
問題 - ピクセルエラーがシーンの中心となるキャラクターやオブジェクトの上に見られます。
薄暗い背景と対照的にピクセルエラーの箇所が明るく目立っています。
予防法:
常にブラックシェーディング補正を行います。これはカメラセンサーの露出時間および温度に基づく補正です。環境や温度の変化に応じて、ノイズパターンを再設定し、ピクセルエラーを減らします。
ピクセルチェックを行います。レンズを付けた状態で照明の当たった白い紙にカメラを向けます。これによってピクセルが荷電するので、この状態で一度収録します。次に黒い紙を写すか、暗くなるように露出を調整してから収録します。フレームにスタックピクセルがないか確認します。
ノイズ除去や補間機能をすべてオフにして、"ビビッド"モードでコンテンツを確認します。
対照的な要素があるとピクセルエラーを発見しやすいため、カメラの移動がある暗いシーンで、明るく定位置に固定されているピクセルがないか確認します。
修正方法:
デッドピクセルはVFXで消して除去する必要があります。
グレーディングされていないアーカイブマスター (NAM) でピクセルを消し込み、グレーディングされたアーカイブマスター (GAM)、ビデオディスプレイマスター (VDM)、最終のIMFといった、後の工程の納品物に修正が確実に反映されるようにしてください。
[094] Picture Stutter
説明:
画面のカクつき (Picture Stutter) は、画像シーケンスにモーションブラーが欠けている場合に発生します。フレーム間のコーディングにより画面のカクつきが強くなることがあるため、エンコードストリームや圧縮中に悪化する場合があります。
影響:
画面のカクつきは、対象素材の技術品質とコンテンツ品質に影響を与えます。画面の動きがギクシャクしたり不自然になったりすると、視聴体験が損なわれます。
深刻度の構成:
参考情報 - なし
問題 - 画面の動きに期待される滑らかさがなく、途切れたりコマ送りのようになったりしています。
予防法:
動きの量に適したフレームレートで撮影します。
ポストプロセス中にカクつきが発生するリスクを最小限にするために、可能であればフレームレートの変換はしないでください。
修正方法:
モーションブラーやフレームブレンドを適用して、カクつきを抑えます。この方法は画像を柔らかくするため、動きを滑らかにしつつ、できるだけくっきりした鮮明な画像になるようバランスを取ることが大事です。
[095] Ident Altered
説明:
アイデント (ロゴ映像) の改変 (Ident Altered) は、Netflixのアイデント (ロゴ映像) のビデオ部分が変更または加工されている状態を指します。
影響:
アイデント (ロゴ映像) の改変は、Netflixブランドのアイデンティティに影響します。ブランディングにおいてアイデント (ロゴ映像) は適切に組み込まれる必要がありますが、その要件を満たさない状態になります。
深刻度の構成:
参考情報 - なし
問題 - Netflixのアイデント (ロゴ映像) が、何らかの点で仕様や本来のフォーマットと異なっているように見えます。
アイデント (ロゴ映像) が作品の他の部分で使用されている画像と一致しません。
予防法:
誤って変更されてしまう可能性があるため、ミキシングや編集工程ではタイムラインにアイデント (ロゴ映像) を入れないようにします。書き出し直前に、変更されていないアイデント (ロゴ映像) を入れます。
Netflixでは、フルフィルメントパートナーが納品時にアイデント (ロゴ映像) を組み込む作業をなくすために、社内のパイプラインの中で納品後にアイデント (ロゴ映像) を自動的に結合できるようにする計画を進めています。
修正方法:
変更されていないオリジナルのアイデント (ロゴ映像) に入れ替えて、再度書き出します。
[096] Visible Production Crew/Equipment
説明:
撮影機材やスタッフの映り込み (Visible Production Crew/Equipment) は、映画やTV番組の撮影に関係する現場の技術スタッフや撮影機材が完成作品に映り込んでいる状態を指します。
影響:
撮影機材やスタッフの映り込みは、対象素材のコンテンツ品質に影響を与えます。画面の内容から注意がそれ、ストーリーに入り込む妨げとなるため、視聴体験が損なわれます。
深刻度の構成:
参考情報 - 映画または写真撮影の中でドキュメンタリー形式のインタビューや映像にスタッフや撮影機材が映り込んでいますが、それが自然であるか制作意図だと判断できる情報があります。
問題 - ショットや反射面に、スタッフ、カメラ、照明、スタンドやフラッグ、ブームマイク、キューマーカーやテープ、ケーブルなど、実際の撮影作業に関わるものが映り込んでいます。
また、スタッフや撮影機材らしき影がショットに映り込んでいます。映り込んだ内容が制作意図によるものと判断できる状況情報がありません。
予防法:
キューマーカーはできるだけ小さく目立たないようにします。蛍光色やコントラストがはっきりした色のマーカーは避けます。
反射物にダリングスプレー (消光剤) を使用し、スタッフや撮影機材の映り込みを最小限に抑えてください。
画像の再配置やサイズ変更がしやすいように、意図した最終的な解像度より、高い解像度で撮影およびDIの仕上げを行ってください。
よく問題になる物や状況について、撮影現場のモニターでショットごとに確認します。たとえば、反射面はもとより、床が映る場合はテープ、ケーブル、ドリーレールに注意します。パンやティルト、ドリーといった方法で撮影する場合はフレーム周辺に注意します。このような撮影方法ではブームマイク、撮影用フラッグ、セット道具が映り込む可能性があります。
修正方法:
スタッフや撮影機材が映り込んだ箇所がフレームの端にある場合は、再配置や拡大を行ってフレーム外に移動できることがあります。
フレームの内側に反射、またはスタッフや撮影機材の映り込みがある場合は、VFXを使った消し込みが必要になるかもしれません。
[097] Text Elements Error
説明:
テキスト素材のエラー (Text Elements Error) は、画面上のテキスト画像、メインタイトル、エンドクレジット内に、綴りや文法の誤りがあることを意味します。
影響:
テキスト素材のエラーは、対象素材のコンテンツ品質に影響を与えます。綴りや文法の誤りは、視聴体験の妨げになります。メインタイトルやエンドクレジットにこのようなエラーがあると、その度合いによっては、契約上の問題になることもあります。
深刻度の構成:
参考情報 - なし
問題 - 画面上�����スト (メインタイトル、エンドクレジット、場所などに関する説明) やテキスト画像に、スペルミス、単数形と複数形の誤り、動詞の時制の誤り、句読点の間違いや欠落などがあります。
予防法:
メインタイトルやエンドクレジットを作成する際は、出演者、スタッフ、スタジオスタッフのクレジットに関連する契約義務に注意してください。各言語のテキストや作成したテキスト画像についても、正しい綴りと文法が使われていることを確認してください。
修正方法:
画面上テキストが現状のままで承認されるかどうか確認します。承認されない場合は、必要に
応じて修正して再納品してください。
[098] Animation/ VFX Intersection Error
説明:
アニメーション/VFXの交差エラー (Animation/ VFX Intersection Error) は、アニメーションコンテンツ、CGI、またはVFX内のオブジェクト (キャラクター、前景のオブジェクト、背景画像など) が、ショット内での物理的な位置と一致せずに重なっている、または交差している状態を指します。境界や区切りが当然存在するはずの場合に、固体のオブジェクトが他の要素を貫通しているときに生じるエラーです (オブジェクトの後方にあるべき手がオブジェクトを貫通している、背景のレイヤーが意図せず前景要素の前面に表示されるなど)。
影響:
交差エラーは、対象素材の技術品質とコンテンツ品質に影響を与えます。別々の固体であるはずのレイヤー同士が交差している場合、視聴者は映像にリアリティを感じなくなります。また、アニメーションまたはVFXの技術的なエラーの原因ともなります。
深刻度の構成:
参考情報 - なし
問題 - アニメーションまたはVFXのレイヤーや要素が不自然に重なっていす。たとえば、キャラクターの体が服を透過して見える場合や、シーン内の固体オブジェクトが別のオブジェクトを貫通しているような場合です。
予防法:
アニメーション化、合成処理、または最終レンダリングの際に複数の段階で目視によりシーンをよく確認すると、意図していないレイヤーの重なりが見つかりやすくなります。
修正方法:
交差エラーの規模によっては、オンラインでのリフレームやペイント修正による色の調整で対処できることがあります。それ以外の場合、元のアニメーションまたはVFX工程に戻して、対象フレームを修正してからレンダリングし直す必要があります。
[099] Animation Incomplete Outline
説明:
アニメーションの不完全な輪郭 (Animation Incomplete Outline) は、2Dアニメーションのキャラクター、オブジェクト、または背景要素の輪郭が意図せず途切れている状態を指します。
影響:
不完全な輪郭は、対象素材のコンテンツ品質に影響を与えます。途切れのない輪郭によって2Dアニメーションシーンの各種要素が画定され、知覚的な区別が可能になります。輪郭に意図していない途切れがあると、シーン内のいくつかの要素が融合して見えたり、動きをはっきり見分けるのが難しくなったりする可能性があります。
深刻度の構成:
参考情報 - キャラクター、オブジェクト、背景要素の輪郭または境界線が途切れていますが、動きははっきり認識でき、シーンの各要素の輪郭も明確です。
問題 - キャラクター、オブジェクト、背景要素の輪郭または境界線が途切れていて、シーンの各要素が画定されていない、または区別できない状態になっています。
予防法:
シェーディングや色を追加する前に、アニメーションフレームをよく見て、意図していない輪郭の途切れがないかを確認します。
修正方法:
不完全な輪郭が意図的なものか確認します。意図したものではない場合は、必要に応じて元のアニメーション工程に戻し、輪郭の途切れを修正してから対象フレームをレンダリングし直します。
[100] Animation/ VFX Lighting/ Shading Error
説明:
アニメーションやVFXの照明/シェーディングエラー (Animation/ VFX Lighting/ Shading Error) は、アニメーションコンテンツ、CGI、またはVFXの照明やシェーディング効果が不自然であることを指します。位置が不適切または不要な影やハイライトがある場合、前後の状況に照らしてシーンが暗すぎる/明るすぎるといった場合に生じる可能性があります。
影響:
照明やシェーディングのエラーは、対象素材の技術品質とコンテンツ品質に影響を与えます。アニメーション環境 (VFXを含む) の照明や影が不自然または不要なものに見えると、視聴者が映像にリアリティを感じなくなり、対象シーンの制作意図の達成が妨げられます。また、使用するシェーダーや照明設定による技術的なエラー、または潜在的なレンダリングエラーの原因にもなります。
深刻度の構成:
参考情報 - なし
問題 - シーン内の要素への照明の当たり方や影のでき方が不自然、または一貫性がないように見えます。シーンで想定されている光源やオブジェクトによっては生じえないハイライトや影があります。想定されている光源、時間帯、環境、その他の状況に照らして、本来意図していたよりもシーンが暗すぎる、または明るすぎるように見えます。
予防法:
照明やシェーディングに生じた意図的なものではない効果やエラーを特定しやすくするため、色調整の前に (または色調整を無効にして) 照明を「グレースケール」に設定して作成、プレビューします。最終レンダリングの前に、照明効果を不用意に変更すること (光源を移動する、サイズ変更する、無効または有効にするなど) がないよう注意してください。
修正方法:
照明/シェーディングエラーの範囲や規模によっては、オンラインで、または色の調整で対処できることがあります。それ以外の場合は、元のアニメーション工程に戻して、対象フレームを修正してからレンダリングし直す必要があります。
[101] Text Graphics HDR/ SDR Error
説明:
テキスト画像のHDR/SDRエラー (Text Graphics HDR/ SDR Error) は、ネイティブHDR仕上げにSDRのテキスト画像が挿入されている場合に発生する可能性がある問題です。ドルビービジョン解析では、画像が正しく解析されなかったり、意図せず解析から除外されたりすることがあります。この場合、ドルビービジョンの最終出力のテキスト画像の輝度が、出力に含まれる他のコンテンツの制作意図に沿った輝度を大幅に上回る高さになります。
このエラーは、背景や周辺のシーン要素が大きく異なる画像からカラーグレーディング値が不適切にコピーされた場合にも発生することがあります。この場合、最終出力に含まれるテキスト画像は、シーンを通じた色の一貫性がなくなります (例: 前後のショットでは「白」に見えるテキスト画像が、同様の場面で「灰色っぽく」見えたり「色あせて」見えたりします)。
影響:
テキスト画像のHDR/SDRエラーは、対象素材の技術品質に影響を与えます。SDRのテキスト画像が不適切に組み込まれていて、ネイティブHDRコンテンツの一部として解析された場合、ドルビービジョン解析結果が不正確になります。また、シーン内の周辺要素の状況に応じてカラーグレーディング値を調整し、テキスト画像の色の一貫性を保つようにしていない場合も同様の問題が発生します。
深刻度の構成:
参考情報 - なし
問題 - テキスト画像のHDRピーク輝度がコンテンツのMaxFALLを大幅に上回り (場合によっては10,000ニト近くになり)、極端に明るく見えます。あるいは、他のシーンの同様の画像と比較して、一部のテキスト画像が「灰色っぽく」見えたり「色あせて」見えたりします。
予防法:
オンラインで作成した、または作品/グラフィックス制作会社から別途提供されたテキスト画像を管理する際は、Dolby社が推奨する手順に従います。テキスト画像がどこで生成されるかにかかわらず、その色はHDR背景の文脈の中で調整しなければなりません。ドルビービジョン解析は、テキスト画像と背景画像の「複合クリップ」に対して実行する必要があります。解析が完了したら、スコープをSDRに切り替えて、トーンマッピング後のバージョンをプレビューし、HDR出力とSDR出力の間でテキスト画像の輝度が一致していることを確認します。
さらに、HDR出力がマスタリングディスプレイ設定のピーク輝度に適合しているかモニタリングすることも推奨します。
修正方法:
オンラインに戻して、HDR背景の文脈内で必要に応じてテキスト画像の色を調整します。テキスト画像と背景画像の「複合クリップ」を作成し (未作成の場合)、この「複合クリップ」に対してドルビービジョン解析を実行します。スコープをSDRに切り替えて、トーンマッピング後のバージョンをプレビューし、HDR出力とSDR出力との間でテキスト画像の輝度が一致していることを確認します。
[102] Missing Asset
説明:
音声素材の欠落 (Missing Asset) は、プリントマスターおよびM&E QCリクエストにおいて、問題登録時に、影響を受ける納品済みミックスの特定のファイルをタグ付けするためファイルの個別選択が必要となるものを指します。納品物に、プリントマスター、M&E、またはオプションステムの所定または必須のファイルが一部含まれていないケースがあります。その結果、問題の追加や修正の確認を行う際に、必要なファイルを選択できない場合があります。
影響:
音声素材の欠落は、納品物全体の技術品質に加え、場合によってはコンテンツ品質にも影響を与えます。たとえば、音声素材が欠落しているために、制作意図に沿った重要なストーリー要素が抜け落ちるような場合です (例: 5.1プリントマスターのセンタートラックが欠落しているために、ほとんどのセリフが無音になる)。あるいは、吹替スタジオが言語のサブアセットをミックスする際、必要な素材が欠落しているために、制作意図に沿って適切に区別できず柔軟に処理できない場合なども考えられます (例: オプションステムが未提出であり、声優の演技の際に再録音される特定のキャラクターの声などの素材を第二言語のミックスに適切に組み込むことができない)。
深刻度の構成:
参考情報 - なし
問題 (場合によってはブロッカー) - 以前報告された問題に[Production Will Fix] (制作チーム側で修正のこと) と表示されていましたが、選択されているファイルが最新の納品物には含まれていないため、修正について確認することができません。納品物に必須ファイル (M&Eミックス全体、5.1プリントマスターのセンタートラックなど) が含まれていません。
予防法:
アップロード前にすべてのエクスポートを見直して、所定の必須ファイルがすべて含まれていることを確認します。
修正方法:
欠落している素材が意図的に省略されたのかどうかを確認します。意図的な省略ではなかった場合は、必要に応じてエクスポートし、再納品します。
変更ログ
V2.6 (2023年6月23日)
- 冒頭の「この用語集について」に記載のメールアドレスを、従来のassetmanagement@netflix.com GGからpto-specialists@netflix.com GGに変更。
- “[098] Animation/ VFX Intersection Error”を追加
- “[099] Animation Incomplete Outline”を追加
- “[100] Animation/ VFX Lighting/ Shading Error”を追加
- “[101] Text Graphics HDR/ SDR Error”を追加
- “[102] Missing Asset”を追加
- “[43] Animation Error”の説明を更新し、アニメーション/VFX特有の新しくより具体的なエラーが該当する場合がある旨の文言を追加。これらの新しいエラーコードまたはその他のより適切なエラーコードにあてはまらない問題にのみ、この一般的なエラーコードが適用されます。
- “[46] Compositing Error”の説明を更新し、アニメーション/VFX特有の新しくより具体的なエラーが該当する場合がある旨の文言を追加。これらの新しいエラーコードにあてはまらない問題にのみ、この一般的なエラーコードが適用されます。
v2.5 (2020年7月6日)
- [56] Visible Frame Edgeのエラーコードの深刻度の構成から、"複数のアングル間で不
整合が生じています。"を削除 (誤解を生じさせる不要な内容だったため)。
v2.5 (2020年6月24日)
- [94] Picture Stutterのエラーコードの説明で、"フレーム間"に関する内容の表現を調整
し、圧縮やエンコーディングに直接関連することを明確化。
v2.5 (2020年6月10日)
- [50] Placeholder Textのエラーコードの説明から、"制作側が意図した"画面上のテキス
トにあたる内容についての詳細な説明を削除。テキストを見れば明らかなためで、翻訳
作業中のフィードバックを反映したものです。また、以前のバージョンにはUCAN地域
特有の表現"Chyron locales (テロップ)"が含まれ、それが他の言語に訳しづらいことが
分かりました。 - その他、[50] Placeholder Textのエラーコードに関する記述全体で、はっきりとVFX
ショットだけに言及する表現の一部を削除。この表現によって、本エラーが一時的な
VFXショットだけに限定されるような印象を与えていました。
v2.5 (2020年2月20日)
- エラーコードの冒頭に"番号"を追加 (英語以外の言語でQCを実施するパートナーが各エ
ラーを簡単に相互参照し、フルフィルメントパートナー、DI担当者、音声担当者と参照
用の番号を使ってやり取りできるようになります)。
v2.5 (2019年11月22日)
- “Audio Clipping”と“Audio Distortion”を統合
- “Audio Artifact - Bad Edit”を“Abrupt Audio Edit”に変更
- “Audio Artifact - Hum/ Buzz”を“Audio Hum/ Buzz”に変更
- “Audio Artifact - Upcut”を“Audio Upcut”に変更
- “Audio Channel Issue - Audio Mix Missing”を“Missing Audio Treatment”に変更
- “Audio Channel Issue - Audio Bleed”を“Audio Channel Bleed”に変更
- “Audio Channel Issue - Mixdown Issue”を“Audio Mixdown Error”に変更
- “Audio Channel Issue - Mono Audio”を“Mono Audio”に変更
- “Audio Channel Issue - Panning”を“Audio Panning Error”に変更
- “Audio Channel Issue - Out of Phase”を“Audio Phase Error”に変更
- “Audio Drop Out - Dialogue”を削除
- “MOS Audio”を追加
- “Audio Skip”を追加
- “Volume Flutter”を削除
- “Loudness LKFS Measurement”を“Loudness LKFS Out of Spec”に変更
- “Volume/ Level - Low Level”を“Low Level Audio”に変更
- “Volume/ Level - Peaks”を“True Peak Out of Spec”に変更
- “Ident - Mismapped”を“Ident Audio Mismapped”に変更
- “Ident Mix Down”を“Ident Audio Mix Down”に変更
- “Ident True Peak Levels”を“Ident Audio True Peaks Out of Spec”に変更
- “Ident Sync”を“Ident Audio Out of Sync”に変更
- “Sync- Dialogue”を“Dialogue Out of Sync”に変更
- “Sync - Music”を“Music Out of Sync”に変更
- “Sync - Effects”を“Effects Out of Sync”に変更
- “Sync - Global Drift Early”を“Global Sync Drift Early”に変更
- “Sync - Global Drift Late”を“Global Sync Drift Late”に変更
- “Sync - Global Offset”を“Global Sync Offset”に変更
- “Extraneous Content”を削除 (音声に関係するため)
- “Extraneous Content - Description”を“Extraneous Audio Description”に変更
- “Missing Content”を削除
- “VFX Error - Animation Error”を“Animation Error”に変更
- “VFX Error - Bad Edit”を“Abrupt Edit”に変更
- “VFX Error - Concealment Error”を“DRS/ Paint Fix Error”に変更
- “VFX Error - Compositing Error”を“Compositing Error”に変更
- “VFX Error - Chroma Contamination”を“Chroma Contamination”に変更
- “Contaminated Blacks”を追加
- “VFX Error - Video Noise”を“Enhanced Video Noise”に変更
- “VFX Shot Number”を“Placeholder Text”に変更
- “Frame Error”を“Framing Error”に変更
- “Frame Error - Black Frame”を“Black Frame”に変更
- “Frame Error - Dropped Frame”を“Dropped Frame”に変更
- “Frame Error - Frame Edge Shading”を“Frame Edge Shading”に変更
- “Frame Error - Freeze Frame”を“Freeze Frame”に変更
- “Blanking Shift”を削除
- “Frame Error - Visible Frame Edge”を“Visible Frame Edge”に変更
- “Frame Error - Visible Matte Edge”を“Visible Matte Edge”に変更
- “Frame Error - Non-Native Aspect Ratio”を“Non-Native Aspect Ratio”に変更
- “Frame Error - Warping”を“Warping”に変更
- “Extraneous Content - Commercial Blacks”を“Commercial Blacks”に変更
- “Extraneous Content - Censorship”を“Censorship”に変更
- “Extraneous Content - Burned In Subtitles”を“Burned In Subtitles”に変更
- “Missing Content - No Black Head or Tail”を“Missing Format Black”に変更
- “Missing Content - Truncation”を“Truncation”に変更
- "Color - Negative Stain"を削除
- “Conversion Error - Aliasing”を“Aliasing”に変更
- “Conversion Error - Banding”を“Banding/ Posterization”に変更
- “Conversion Error - Ghosting”を“Combing/ Ghosting”に変更
- “Combing”を削除
- “Conversion Error - Low Quality Video”を“Low Quality Footage”に変更
- “Conversion Error - Jitter”を“Picture Jitter”に変更
- “Conversion Error - Digitization”を“Pixelation/ Quantization”に変更
- “Luminance - Loss of Detail in Highlights”を“Blown-out/ Clipped Whites”に変更
- “Luminance - Loss of Detail in Low Levels”を“Crushed Blacks”に変更
- “Luminance Flicker”と“Luminance Shift”を統合
- “Sub-Black Levels”を追加
- “Luminance - Shift in Black Levels”を“Shift in Black Levels”に変更
- “Luminance - Harding PSE Failed”を“PSE Test Fail”に変更
- “Production Error - Camera Bump”を“Camera Bump”に変更
- “Production Error - Continuity Error”を“Continuity Error”に変更
- “Production Error - DSR”を“Dirt/ Stain/ Scratch”に変更
- “Production Error - Lens Flare”を“Lens Flare”に変更
- “Production Error - Lens Smudge”を“Lens Smudge”に変更
- “Color - SDR Issue”を“Dolby Vision Metadata Error”に変更
- “Incorrect Asset - Metadata”を“Incorrect File Metadata”に変更
- “Incorrect Asset - Timecode”を“Incorrect Timecode”に変更
- "Text Elements Error"を追加
- 必要に応じてブロッカーの深刻度の情報を追加
- 必要に応じて説明、影響、深刻度の構成、予防法、修正方法を更新