Framing and Working Resolution Calculatorへのクイックリンク
はじめに
このガイドでは、Framing and Resolution Calculatorの使い方を説明します。この計算ツールを使用することで、作品の画角と作業解像度を手早く簡単に決めることができます。
Netflixは制作関係者と協力しながら、作品固有のワークフロー構築を支援しています。ご自身の作品の事項について質問や心配な点がある場合は、Netflix担当者までご連絡ください。
"作業解像度"とは
1台のカメラで撮影される作品であっても、制作過程ではさまざまな解像度やアスペクト比が使用されるものです。オリジナルカメラ映像 (OCF) の解像度は、撮影で意図した画角の解像度とは異なることが多いでしょうし、VFXチームから画角の調整やより正確なトラッキングのため、画にセーフティを確保する要望もあるかもしれません。また、作品の納品解像度がOCFでの有効映像の解像度と異なる場合もあります。
作品の作業解像度が決まると、画角調整時の基準が明確化され作業が簡単になります。さまざまな収録形式や解像度を1つのコンテナに統一することで、作品のポストプロダクションやVFXの段階で行われる映像のサイズ調整作業を限りなく減らすことができます。作業解像度を決めることで、OCFからNetflixへの最終納品形式までのサイズ調整が1回で済むようになります。
Framing and Working Resolution Calculatorは、作品の作業解像度を手早く簡単に計算してすぐに決定できるよう開発されたツールです。
用例
作品で使用するカメラはARRI Alexa LF1台で、Open Gateセンサーモードで撮影し、出力アスペクト比は2.00:1であると想定します。撮影監督はポスプロでの処理に備えて5%のセーフティを追加しており、スタジオが指定する最終納品物の仕様は3840x2160のUHD IMFです。
さらに以下のような2台のサブカメラも使用しているとします。
- Sony Veniceを使用しOCF解像度6054x3192にて撮影。メインカメラと同様に、撮影監督はアスペクト比2.00:1でフレーミングし、5%のセーフティを含めた。
- RED Komodoを使用してOCF解像度6144x3240にて撮影し、アスペクト比2.00:1でフレーミング。カメラはドローンに取り付けられるため、撮影監督は5%のセーフティを入れない。その代わりに、センサー幅全域を使ったフレーミングをすることにした。
OCFにおける有効映像域の解像度はさまざまな値をとりますが、納品物の有効映像域は常に一定です。
前述の例と同じように、Alexa LFをメインカメラとして使用して、作業解像度を決めることができます。
Alexaをメインカメラに選んだため、サブカメラの素材を作業解像度にサイズ変更すると、上下 (Venice) または周囲 (RED) に黒帯が入ります。
納品される有効映像解像度のセンタークロップ部分は、やはり制作意図の有効映像となります。有効映像域とセーフティはそのままであり、OCFから最終納品までの間でサイズ調整作業を1度行えば、異なった解像度が統一されます。
Veniceをメインカメラとした場合も同じ処理が適用されます。ただし、Alexa LFで撮影された映像は、OCFから作業解像度にサイズ調整する際に黒帯が入らず、クロップされることになるため、映像の情報が一部失われます。
画角と解像度の計算
Framing and Working Resolution Calculatorは、制作する作品の作業解像度や最低作業解像度を手早く計算できるよう設計されています。
計算するには、以下のデータを入力します。
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カメラとセンサーモード
- Netflixの収録要件を満たすカメラについては、「カメラと画像キャプチャ」をご参照ください。
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レンズの圧縮率
- 球面レンズには1xを使用してください。
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出力アスペクト比
- 最終納品物における有効な映像領域のアスペクト比です。
- アスペクト比について詳しくは、「アスペクト比の概要」をご参照ください。
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セーフティ
- 画角の調整やトラッキングなどで使用するために必要な場合、作業解像度コンテナで定義した有効映像の外側のセーフティを指定します。
これらのデータを計算ツールに入力すると、有効な映像の解像度、映像のリサイズの際に許容される最大サイズ、そして作業コンテナの解像度がNetflixに承認されているかといった情報を得られます。
計算ツールの使用方法が分かったところで、実際に使ってみましょう。
解像度クイズ
Netflix作品をArri LFカメラのOpen Gate (OG) センサーモード (4448x3096) で撮影するとします。監督と撮影監督は、アスペクト比2.00:1で作品を完成させたいと考えていますが、これはOCFのアスペクト比とは異なります。撮影監督はポスプロ作業のために5%のセーフティを設けています。また、スタジオが指定する最終納品物の解像度は、3840x2160のUHD IMFです。
ご自身で計算ツールに以下の値を入力してみましょう。
- カメラとセンサーモード: Arri LF OG 4.5K
- レンズの圧縮率: 1x (球面レンズ)
- 出力アスペクト比: 2.0:1
- セーフティ: 5%
簡単ですね。これらの値から計算すると、この作品の理想的な作業解像度は4044x2814ということになります。この解像度の映像がストレージを逼迫する不安がある場合は、最低解像度として算出される4044x2022を選ぶ手もあります。