Netflix サウンドミックスの仕様と実践ガイド v1.2
1.0 音声の前提条件
1.1 ニアフィールドアトモスミックス - マスタリングとアーカイブ - オリジナル言語バージョン
1.2 ニアフィールドアトモスミックス - マスタリングとアーカイブ - 吹替言語
1.3 ニアフィールド5.1サラウンドミックス - マスタリングとアーカイブ - プロダクションからのオリジナル言語バージョンと吹替言語
1.4 ニアフィールド2.0ステレオミックス - マスタリングとアーカイブ - プロダクションからのオリジナル言語バージョンと吹替言語
1.5 音楽と効果音 (M&E) のミックス
1.5.1 ニアフィールドアトモスM&Eのミックス
1.5.2 ニアフィールド5.1サラウンドM&Eのミックス
1.5.3 ニアフィールド2.0ステレオM&Eのミックス
1.6 音声解説
1.6.1 ニアフィールドアトモスミックス - 音声解説
1.6.2 ニアフィールド5.1サラウンドミックス - 音声解説
1.6.3 ニアフィールド2.0ステレオミックス - 音声解説
2.0 劇場版ミックス - マスタリング&アーカイブ
3.0 実践ガイド
3.1 ダイアログベースのラウドネス及びラウドネス範囲
3.2 ピーク
3.3 部屋の設定
1.0 音声の前提条件
IMF、QuicktimeまたはアトモスBWAV ADMによる納品など、ソース自体が多重化している場合を除き、ディスクリート音声が必要です。Backlotへの納品のみ対象外となります。詳しくは、セクション5.3を参照してください。
サンプルレートおよびビット深度:
オリジナル言語ミックスまたはM&Eミックスの場合は48k/24ビット。ステムおよびミックスマスターに適用。
第二言語や音声解説は48k/16ビットもしくは24ビット。
音声はすべて最終映像 (FFOAの後および本編開始前の1秒間の黒画面、LFOAでの1秒間の黒画面を含む) と同期する必要があります。
多言語/吹替言語と音声解説ミックスには、追加リーダーを含めないでください。プリントマスター、M&E、ステムには8秒間の標準アカデミーリーダーと2ポップを含めて構いません。
すべての作品において5.1音声は必須、2.0はオプションです。
モノラル音声は、番組のオリジナルソースファイルがモノラル音声で、ステレオおよび/または5.1chミックスが存在しない場合に受け付け可能です。モノラル音声はチャンネル1&2に複製し、2チャンネルで納品してください。
1.1 ニアフィールドアトモスミックス - マスタリングとアーカイブ - オリジナル言語バージョン
ドルビーアトモスオリジナル言語のホームミックスは、以下の要件を満たす必要があります。
- 最低でも7.1.4配置の部屋でミックスすること。
- アトモスホームのミックスルームにはドルビー認証は必要ありません。
- IMF (IAB) で納品するアトモスは、23.976、24、25、30FPSに対応しています。
- ニアフィールドミックスになります。ニアフィールドの一般的なモニタリングレベルは79dbまたは82dbです。
- ラウドネスをNetflix仕様 (ダイアログベースで-27db LKFS +/- 2 LU 1770-1) に合わせてください。
- ピークは一般に、トゥルーピーク-2dbfs以下に制限してください。この実現のため、すべてのベッドとオブジェクトにトゥルーピークリミッターを-2.3以下に設定することを推奨します。ラウドネスとピークは、5.1のレンダリングにより測定します。
- ®アトモスミックスの場合、5.1は必須、2.0のはオプションです。5.1と2.0のリレンダー出力は、Netflixのラウドネス仕様に準拠してください。5.1と2.0がNetflixのピーク仕様に準拠する必要があるのは、ストリーミング用に納品する場合のみです。この方法として、ベッドとオブジェクトの音量を下げるより、リレンダーからの出力をリミッターを使ってピーク制限することをお勧めします。
- アトモス - IMFの作成およびストリーミングのため、画像仕上げ担当に納品。
- 5.1 - 吹替のリファレンスとしてコンテンツハブに納品。ストリーミング用の納品は任意。
- 2.0 - 任意。
- すべてのベッドおよびオブジェクトをエンコードして常に聴こえるようにしてください。プリントマスターはすべてのベッド素材の合成、もしくは複数のベッドを使用して構いませんが、両方の使用は認めません。
- すべてのシリーズ/ドキュメンタリー/リアリティーショー/コメディー作品のベッドとオブジェクトは、セリフ、音楽、および効果音をそれぞれ別トラックに必ず分離してください。
- 85dbの劇場用リファレンスミックスを作成する場合は、2種類の納品物がセットで必要です。一つは劇場用、もう一つはニアフィールド用です。
- リーダーとシンクポップはあれば望ましいですが、必須ではありません。IMFベンダーはIMFでアトモスを同期します。本編は最終版のIMF映像 (最初と最後の1秒間の黒画面を含む) と一致する必要があります。
- 最終版のホームシアタープリントマスター
- ドルビーアトモスBWAV ADMファイル
- ベッドチャンネル構成はすべて受け付け可能です。
- 48 kHzサンプルレート、24ビット
1.2 ニアフィールドアトモスミックス - マスタリングとアーカイブ - 吹替言語
ドルビーアトモス吹替言語ホームミックスは、以下の要件を満たす必要があります。
- 最低でも7.1.4配置の部屋でミックスすること。
- アトモスホームのミックスルームにはドルビー認証は必要ありません。
- ニアフィールドミックスであること。ニアフィールドミックスの一般的なモニタリングレベルは79dbまたは82dbです。
- ラウドネスをNetflix仕様 (ダイアログベースで-27db LKFS +/- 2 LU 1770-1) に合わせてください。
- ピークは一般に-2dbfsトゥルーピークを超えないようにしてください。そのためには、すべてのベッドとオブジェクトのトゥルーピークリミッターを-2.3以下に設定することを推奨します。ラウドネスおよびピークは5.1リレンダーで計測してください。
- ネイティブアトモスミックスの場合は、5.1と2.0のリレンダーがNetflixのラウドネス仕様とピーク仕様に準拠する必要があります。
- すべてのベッドおよびオブジェクトをエンコードして常に聴こえるようにしてください。プリントマスターはすべてのベッド素材の合成、もしくは複数のベッドを使用して構いませんが、両方の使用は認めません。
- すべてのシリーズ/ドキュメンタリー/リアリティーショー/コメディー作品のベッドとオブジェクトは、セリフ、音楽、および効果音をそれぞれ別トラックに必ず分離してください。映画作品の場合は、可能な限りDME (セリフ、音楽、および効果音) の分離を維持してください。
- 85dbの劇場用リファレンスミックスを作成する場合は、2種類の納品物がセットで必要です。1つは劇場用、もう1つはニアフィールド用です。
- 吹替言語のアトモスファイルは、最終的なIMF映像のひと続きの長さ (別々のリールではなく) に完全一致する必要があります。リーダーとシンクポップは削除してください。
- FFOAはデフォルトのまま使用すること ([Add FFOA]チェックボックスにチェックをつけないこと)。バージョン3.0以前のレンダラーソフトウェアを使用している場合は、FFOAの値を赤色の「ー」のままにすること。
- 最終版のホームシアタープリントマスター
- ドルビーアトモスBWAV ADMファイル
-
- ベッドチャンネル構成はすべて受け付け可能です。
- 48 kHz、24ビット
1.3 ニアフィールド5.1サラウンドミックス - マスタリングとアーカイブ - プロダクションからのオリジナル言語バージョンと吹替言語
- 79dB splまたは82dB splをミキシングの標準リファレンスレベルとしてください。
- ITU-R BS.1770-1を使用してプログラム全体で計測し、ダイアログベースで-27 LKFS (+/- 2 LU) にしてください。
- ミックスレベルを下げずに、ピークを制限することで、-20 dBFSのリファレンス上で+18db (-2 dBFS) の最大レベル (トゥルーピーク) を超えないようにしてください。
- オリジナルバージョン: 5.1ダイアログ、ミュージック、エフェクトステムは、合わせたときに5.1ミックスと等しくなるようにしてください。
- 吹替バージョン: 5.1ダイアログステムは、M&Eと合わせたときに5.1ミックスと等しくなるようにしてください。
1.4 ニアフィールド2.0ステレオミックス - マスタリングとアーカイブ - プロダクションからのオリジナル言語バージョンと吹替言語
- 79dB splまたは82dB splをミキシングの標準リファレンスレベルとしてください。
- 別個のLo/RoまたはLT/RTミックスは、ITU-R BS.1770-1を使用してプログラム全体で計測し、ダイアログベースで-27 LKFS (+/- 2 LU) にしてください。
- Lo/Roミックスを推奨
- Lo/RoまたはLT/RTミックスはモノ対応である必要があります。
- ミックスレベルを下げずに、ピークを制限することで、-20 dBFSのリファレンス上で+18db (-2 dBFS) の最大レベル (トゥルーピーク) を超えないようにしてください。
- 5.1からダウンミックスしてLo/RoまたはLT/RT 2.0ミックスを作成する場合:
- センターチャンネルのコンテンツは-3db下げる
- センターチャンネルのコンテンツは、左および右チャンネルの双方に入れる
- サラウンドチャンネルのコンテンツを-3db以上下げる
- 左と右のサラウンド要素を対応する左と右のチャンネルにフォールドダウンする
- オプションで、LFE (低域効果音チャンネル) を-8db~-12dbの間で含めてください
- LFE (低域効果音チャンネル) を左および右チャンネルの双方にフォールドダウンする
- LFEへのローパスフィルターは200 Hz以下にしてください
- フォールドダウンの前に個別の5.1チャンネルであらゆる調整を行う必要があります。
注: 最終的な2.0ミックスに音声の乱れがないことを、納品前に確認してください。音声の乱れを防止するために必要だとNetflixが判断した場合は、更なる調整が加えられます。納品されるすべての2.0ミックスは、このセクションで規定される仕様を満たしている必要があります。
1.5 音楽と効果音 (M&E) のミックス
1.5.1 ニアフィールドアトモスM&Eのミックス
ドルビーアトモスホームM&Eミックスは、以下の要件を満たす必要があります。
- 最低でも7.1.4配置の部屋でミックスすること。
- アトモスホームのミックスルームにはドルビー認証は必要ありません。
- ニアフィールドミックスになります。ニアフィールドの一般的なモニタリングレベルは79dbまたは82dbです。
- ピークは一般に-2dBFSトゥルーピークを超えないようにしてください。そのためには、すべてのベッドとオブジェクトのトゥルーピークリミッターを-2.3以下に設定することを推奨します。ピークは5.1リレンダーで計測してください。
- 5.1M&Eリレンダーは、Netflixのピーク仕様に従ってください。
- 必要に応じて、アトモスM&Eの他にオプショントラックが要求されることがあります。
- すべてのベッドおよびオブジェクトをエンコードして常に聴こえるようにしてください。プリントマスターはすべてのベッド素材の合成、もしくは複数のベッドを使用して構いませんが、両方の使用は認めません。
- M&Eのベッドとオブジェクト構成は、アトモスプリントマスターと一致する必要があります。ダイアログのベッドとオブジェクトには、認識可能な言葉は入れずに、プロダクションエフェクトのみを含めるようにしてください。
- 85dbの劇場用リファレンスミックスを作成する場合は、2種類の納品物がセットで必要です。一つは劇場用、もう一つはニアフィールド用です。
- リーダーとシンクポップはあれば望ましいですが、必須ではありません。本編は最終版のIMF映像 (最初と最後の1秒間の黒画面を含む) と一致する必要があります。
- 音楽と効果音 (M&E) ミックス
- ドルビーアトモスBWAV ADMファイルまたはPro Tools Recorderセッション
- ベッドチャンネル構成はすべて受け付け可能です。
- 48 kHz、24ビット
- M&Eオプションステム (単一または複数) は、他の個別のコンテンツのラベルに合わせ、別のWAVファイルを用意するか、Pro ToolsセッションにおいてオプションまたはOPTであると明示。
- チャンネル形式は、オリジナルミックスの意図に沿うよう再レコーディングミキサーによって決定する必要があります。
1.5.2 ニアフィールド5.1サラウンドM&Eのミックス
- 音楽と効果音のみが含まれた (セリフを除く) 完全な5.1chサラウンドサブミックスを別途提出してください。
- 補完されたアンビエンスとフォーリーが含まれ、オリジナルミックスに正しく一致する必要があります。メインのミックスに含まれるセリフ以外音声はすべてM&Eミックスにも含めるようにしてください。
- すべてのレベルは、最終版マスタリングとアーカイブに使用したものを反映させてください。後に実施される吹替音声のミックスをスムーズに進めるためです。
- 必要に応じて、5.1M&Eの他にオプショントラックが要求されることがあります。
- M&Eを作成するミキサーは、NetflixのM&E作成ガイドライン文書をこちらでご参照ください。
- ノンフィクションコンテンツ用M&Eを作成するミキサーは、NetflixのノンフィクションM&E作成ガイドライン文書をこちらでご参照ください。
1.5.3 ニアフィールド2.0ステレオM&Eのミックス
- 音楽と効果音のみが含まれた (セリフを除く) 完全な2.0ステレオサブミックスを別途提出してください。
- 補完されたアンビエンスとフォーリーが含まれ、オリジナルミックスに正しく一致する必要があります。メインのミックスに含まれるセリフ以外のあらゆる音はM&Eミックスにも含めるようにしてください。
- M&Eボリュームを下げずに、ピークを制限することで、-20 dbfsのリファレンス上で+18db (-2 dbfs) を最大レベル (トゥルーピーク) に維持してください。
- Lo/RoまたはLT/RT 2.0ミックスを作成する場合、セクション4.2.1.2に示したニアフィールド 2.0ステレオミックスの仕様に従ってください。
- すべてのレベルは、最終版マスタリングとアーカイブに使用したものを反映させてください。後に実施される吹替音声のミックスをスムーズに進めるためです。
- M&Eを作成するミキサーは、NetflixのM&E作成ガイドライン文書をこちらでご参照ください。
- ノンフィクションコンテンツ用M&Eを作成するミキサーは、NetflixのノンフィクションM&E作成ガイドライン文書をこちらでご参照ください。
1.6 音声解説
1.6.1 ニアフィールドアトモスミックス - 音声解説
ドルビーアトモスの吹替言語ホームミックスは、以下の要件を満たす必要があります。
- 最低でも7.1.4配置の部屋でミックスすること。
- アトモスホームのミックスルームにはドルビー認証は必要ありません。
- ニアフィールドミックスであること。ニアフィールドミックスの一般的なモニタリングレベルは79dbまたは82dbです。
- ラウドネスをNetflix仕様 (ダイアログベースで-27db LKFS +/- 2 LU 1770-1) に合わせてください。
- ピークは一般に-2dbfsトゥルーピークを超えないようにしてください。そのためには、すべてのベッドとオブジェクトのトゥルーピークリミッターを-2.3以下に設定することを推奨します。ラウドネスおよびピークは5.1リレンダーで計測してください。
- ネイティブアトモスミックスの場合は、5.1と2.0のリレンダーがNetflixのラウドネス仕様とピーク仕様に準拠する必要があります。
- すべてのベッドおよびオブジェクトをエンコードして常に聴こえるようにしてください。プリントマスターはすべてのベッド素材の合成"または"複数のベッドを利用しますが、両方は利用できません。
- すべてのシリーズ/ドキュメンタリー/リアリティーショー/コメディー作品のベッドとオブジェクトは、セリフ、音楽、および効果音をそれぞれ別トラックに必ず分離してください。映画作品の場合は、可能な限りDME (セリフ、音楽、および効果音) の分離を維持してください。
- 85dbの劇場用リファレンスミックスを作成する場合は、2種類の納品物がセットで必要です。1つは劇場用、もう1つはニアフィールド用です。
- 音声解説のアトモスファイルは、最終的なIMF映像のひと続きの長さ (別々のリールではなく) に完全一致する必要があります。リーダーとシンクポップは削除してください。
- 最終版のホームシアタープリントマスター
- ドルビーアトモスBWAV ADMファイル
- ベッドチャンネル構成はすべて受け付け可能です。
- 48 kHz、24ビット
1.6.2 ニアフィールド5.1サラウンドミックス - 音声解説
- 79db splまたは82db splをミキシングの標準リファレンスレベルとしてください。
- 音声解説のナレーションは中央のチャンネルにミキシングしてください。
- ITU-R BS.1770-1を使用してプログラム全体で計測し、ダイアログベースで-27 LKFS (+/- 2 LU) にしてください。
- ミックスボリュームを下げずに、ピークを制限することで、-20 dBFSのリファレンス上で+18db (-2 dBFS) の最大レベル (トゥルーピーク) を超えないようにしてください。
1.6.3 ニアフィールド2.0ステレオミックス - 音声解説
- 79db splまたは82db splをミキシングの標準リファレンスレベルとしてください。
- 別個のLo/RoまたはLT/RTミックスは、ITU-R BS.1770-1を使用してプログラム全体で計測し、ダイアログベースで-27 LKFS (+/- 2 LU) にしてください。
- Lo/Roミックスを推奨
- Lo/RoまたはLT/RTミックスはモノ対応である必要があります。
- ミックスレベルを下げずに、ピークを制限することで、-20 dBFSのリファレンス上で+18db (-2 dBFS) の最大レベル (トゥルーピーク) を超えないようにしてください。
- ミックスレベルを下げてLo/RoまたはLT/RT2.0ミックスを作成する場合:
- センターチャンネルのコンテンツは-3db下げる
- センターチャンネルのコンテンツは、左および右チャンネルの双方に入れる
- サラウンドチャンネルのコンテンツを-3db以上下げる
- 左と右のサラウンド要素を対応する左と右のチャンネルにフォールドダウンする
- オプションで、LFE (低域効果音チャンネル) を-8db~-12dbの間で含めてください
- LFE (低域効果音チャンネル) を左および右チャンネルの双方にフォールドダウンする
- LFEへのローパスフィルターは200 Hz以下にしてください
- フォールドダウンの前に個別の5.1チャンネルであらゆる調整を行う必要があります。
注: 最終的な2.0ミックスに音声の乱れがないことを、納品前に確認してください。音声の乱れを防止するために必要だとNetflixが判断した場合は、更なる調整が加えられます。納品されるすべての2.0ミックスは、このセクションで規定される仕様を満たしている必要があります。
2.0 劇場版ミックス - マスタリング&アーカイブ
- 劇場版ミックスは以下の2点以外は上記に示したニアフィールドの仕様に従うこと:
- ミックスの標準リファレンスレベルとして 85db spl を使用すること
- 劇場版ミックスにはLKFSラウドネス要件はないため、0dbトゥルーピークをピークとしてもかまわない
- 劇場スペックでの会話、音楽、効果音ステムを提供すること
3.0 実践ガイド
注: 以下は技術的な仕様ではありません。最適なユーザー体験を作り出すためのガイドです。以下のガイドラインは推奨事項であり、必ずしも従う必要はありません。
3.1 ダイアログベースのラウドネス及びラウドネス範囲
Netflixはクリエイティブの意図を守ることに最大限の努力を投じており、オーディオミックスに対して圧縮、制限、修正は行いません。但し、あまりダイナミックレンジが広すぎないコンテンツのほうがユーザー体験はより良いものになります。
全てのオーディオ納品物は標準化され、サービス上で全てのオーディオが同じレベルで再生されるようにします。作品間で一貫した再生を行えるよう、全体のミックスレベルを調整します。
以下の計測製品はテスト済みで、Netflixのオーディオ仕様に効果的に一致させることができることを確認済みです:
次のラウドネス範囲(LRA)の値がサービス上で最もよく聞こえます:
- 5.1 プログラムの LRAは4から18 LUであること
- 2.0 プログラムのLRAは4から18 LUであること
- 会話のLRAは10 LU以下であること
ニアフィールド5.1ミックスのダイアログが15%以下と計測した場合は、代わりにプログラムベースの計測を使用してください(-24db LKFS +/- 2 LU - ITU BS 1770-3)
LoRoフォールドダウンやダウンミックスの際は、ITU-R BS.775-1 - 5.1 to Stereo with LFE muted が国際基準です。
3.2 ピーク
トゥルーピークのリミッターを全てのオーディオ納品物に対して-2.3に設定することを推奨します。5.1 / 2.0においては、メーター上の些細な相違から誤検出することを避けることができます。アトモスのベッドやオブジェクトにおいては、アトモスレンダラー内の加算要因により、このセッティングは過剰なピークを低減します。
3.3 部屋の設定
リビングルーム程度の大きさの部屋でニアフィールドミックスをすることを推奨します。それよりも大きな部屋や小さな部屋でも、正しく設計、調整されている部屋であれば問題ありません。ミックスポジションの近くで複数のマイクを使用することで部屋の調整を平均化します。アトモスの部屋は少なくとも7.1.4でなければなりませんが、9.1.6が最適であると言えます。標準のシネマカーブよりは、モデレート、もしくはニアフィール用のLight X-CUrveを推奨します。設備の調整においてサポートが必要であれば、ドルビーのエンジニアが協力します。
変更履歴
2019-04-04
- セクション3からラウドネスの仕様を削除(推奨ではなく、必要要件のため)。
- セクション3に現時点でのテスト済みラウドネスメーターを追加
- セクション3のフルプログラム用LRAガイドを18変更
- セクション3からFXと会話の差に関するLRAガイドを削除
- タイトルをオーディオミックスからサウンドミックスに変更
- オーディオ納品物が撮影・映像ポストプロダクションにおけるフレームレートと一致するという要件に関する詳細を追加
- 実践ガイドとしてモデレートもしくはLight X-Curveの提案を追加